第5話 X'masの痕②

XmasEveのお返しは1年の誕生日・元旦で良いかな。


私は綺麗に消えた、鼻のかぶりつかれた跡を、触って確認をとった。


家族にはトナカイの鼻の取り付け方が下手くそで出来た傷ととおしたが、私にコクってくれた

幼なじみのしゃけには『好きな人』がいると伝え、私への交際を求める気持ちを諦めてもらった。


「悔しいけど頑張れよ」と最終的にしゃけは私を応援してくれた。


だから私も勇気をだす。


「年賀状を書きそびれたから」カウントダウンを一緒にしようとLINEで伝えると『了解』のスタンプが送られてきた。


「神社が良い?それともお寺が良い?」との質問に「前日からロープウェイで登る山頂はどう?」と聞かれ「良いね」と賛同した。


その時、告白の返事をするよと言ったから彼女のテンションは上がった。


あちゃーと想いながらも心が落ちつくように私は好きな歌を口ずさんだ。


いよいよだ。最終のロープウェイに乗る為に待ち合わせ場所に向かう。緊張で心臓が口から出そう。


『落ちつけ落ちつけワタシ』と無理矢理リラックスする。そんなアスファルトを見ていた私に影が重なる。


「お待たせ」と大晦日早々、着飾るのではなく、私同様に登山に耐えられる服装に身を包んだ彼女が笑ってた。


「行こうか」と笑って二人、手を繋いだ。ロープウェイに乗る人波に引き離されない様に、きゅっと、つながれた手に力をいれた。




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