第4話 X'masの痕①

学業帰り冬休みを向かえる、私しんこは友人てっかとホイップクリームが美味しいパンケーキ屋でフレンドベルを楽しんでいた。

「やっぱ、ご褒美スイーツは此処にがぎるわ」と私が言うと、彼女が「鼻の頭ホイップだらけだよ」と言うから、鏡を見ながらナプキンで拭こうとしたら

「とってあげる」という彼女の顔が私に近づき『舐められちゃうの?』と、ドキドキしてたら、ガブリと鼻の頭をかじられた。

「痛い」と抗議したら、美味しそうな鼻してるからつい『嘘をついた』のだと言う。

「今日は此の後ファミリーベル」なのに、鼻の頭は出血をふいても腫れていた。「こんな顔じゃX'masを穏やかに過ごせないよ」と文句を言うと「これあげる」とトナカイの真っ赤な鼻の飾りとサンタタイを渡された。

ワザとだなと微怒ってたら「しんこが可愛いから害虫予防」と、男とHするなよとマジ顔で言われた。「しんこは私のモノなんだから」と笑って、彼女がお会計を払ってくれた。

別れ際「来年はフレンドベルじゃ許さないから」とジョークに隠した一途な表情に、どきりとした。

別れた後、鼻の赤みはとれないから、仕方がなくトナカイの真っ赤な鼻の飾りとサンタタイを装着した。

その夜、ファミリーベルを楽しんでいたら、家族ぐるみで遊びに来ていた、隣の幼馴染みのしゃけに耳もとで「鼻の飾りが邪魔でキスできねー」と何様な苦情を言われた。

「害虫予防」と言う彼女の行動を思い出し、私は彼女に真っ赤になってしまったのだが、彼がスマホで一緒に写真を撮ろうとしたから「一人だけで写して」とお願いして、ツリーの前でピースした。

「後で写メ送ってね」と、両手を合わせて頼んだ。勿論、彼女にも転送しよ。


ああ神さま、私は本当に彼女が好きなのかもしれません(今更ながら恥ずかしい)




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る