第4話自然の素晴らしさ
その迷いの末、やはり進むことに決めた。
それは登りきる自信があったためだ。
地面を見ると、寒さを感じさせる程の白い雪がまるで、魔力を持っているかの様に、長靴にへばりついてくる。
恐ろしい、身体全体が凍てついてきた。俺はこれは駄目だと、今度は上を見上げた。
その風景は、本当に素晴らしいものだった。
雪が吹雪の様に降っているがそれが星の様な輝きを放ち、雪と山を飾るかの様だ。
俺は感動してしばらく見惚れていた。
この山を登るという、決意を改めて思わせる光景だった。
それは、これほどの自然の素晴らしさを実感するだけでも、この山に登って良かったと、涙を流させるほどの喜びを与えてくれたからだ。
さてと気を引き締めて俺はまた一歩ずつ山に登って行った。
エベレストに挑むおっさんの物語 タカユキ @takayuki007
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