第9話 高校で留学(I)日本版ヘミングウエイ?

高校生の時、英語が不得意で、英語を話せる様になるには、英語を話さないと飢え死にする環境でないと、習得できないだろうと考えていた。ちょうどその時、英語の先生が、交換留学制度についてのパンフレットが来たので応募しないかと生徒達に働きかけはじめた。冷やかし程度の考えで応募したら、書類審査に受かってしまった。夜行列車で東京まで行って、面接(日本語と英語で)と英作文の試験を受けた。英語は余り話せず、英作文も全く書けなかったので、落ちたと思っていたが、受かってしまった。(注意書き:これは超優等生が受かるAFSではなく、やや自費の多い別の制度でした。AFSは自己負担10万円、私が受かった制度は、40〜50万円程度だったと思います。もう一つの注意書き:私は2年生で生徒会長になりましたが、それも冷やかしで立候補したためでした。)


その頃は、留学生がかなり珍しい時期で、合格通知が来て、私も周りもとても皆驚いた。特に私の住んでいた田舎町では、もっとそうだった。私も卒業し、弟が通っていた中学でも噂は広まっていた。私のことを弟のクラスメイトが、「昔から英語はよくできる生徒で、英語の成績はいつも5だったらしい、、、」と噂していて、実際に中1から高校まで、英語は3か4しか取ったことのない兄を知る弟は思わず笑ってしまったらしい。


実際の留学前に、代々木の元オリンピック村で講習が二度あったが、そこで、面接してくれた米国人男性に、私の英語レベルでも大丈夫なのかと聞いたら、英語なんて、ホストファミリーと毎日過ごしていたら、誰でも1年で十分に喋れる様になると言われた。面接では、ホストファミリーとうまくやっていけるかどうかの判断だけをしたと言われた。


私のホストファミリーは、私の身長が180cmほどで、二人の息子と同じくいの身長であったことと、生まれ住んでいたところも田舎だったので、その町に慣れやすいだろうということ考慮したそうだった。まあ、シカゴから1時間ほどのところだったのだが。英作文は、ホストファミリーが受け入れる生徒を選ぶ時の参考にされたらしかった。私の作文はシンプルで(日本人としても中学生レベルだったのだろう)、日本版ヘミングウエイだと言って受け入れたと言われた。米国人はいつもポジティブだ。ちなみに、私が初めて読んだ英語の小説はヘミングウエイの「老人と海」でした。


私のこのシリーズを読んで頂いている方達には、ヘミングウエイどころか、私が日本語の作文もろくにできないことはお分かりでしょう。



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