2章

友好戦略その7

「は〜、メイドインアビス面白かったなぁ。ついアニメ一気見しちゃったよ」

「うん?最近自堕落が過ぎるって?しょうがないじゃないか、面白いコンテンツがこんなにあるんだから」

「どうせ僕が何をしたって人間は変わらないよ。無駄なことをいつまでも頑張れる訳無いじゃないか」


「そんな情け無いこと言うものではないですよ」


「え、その声は、ミクちゃんじゃないか!久しぶりだね〜。でもどうしてここに?」


「ライカのことが心配になって地上へ来たのよ。でもあなたときたら…、その姿を見れば大体分かります。ろくに役目を果たせていないことが」


「いや、これには超深海層よりも深い訳が…」


「言い訳は結構。あなたは深海の諸問題を解決するために陸上へと派遣されたのよ」

「それなのにあなたときたら、そのだらしない姿は何?不摂生で怠惰に過ごして友好大使としての役割が務まるとでも思っているの?」


「ごめんなさい。僕だって色々してみたさ、でもどれも上手くいかなくて…」


「だから私が来たんです。あなたはこれからアイドルとして活動してもらいます」


「アイドル⁉︎」


「人間は自分の推しのためなら、懸命に行動します。ライカならなれるわ、誰もが目を奪われてく完璧で究極のアイドルに」

「ふふ、地下アイドルならぬ深海アイドルよ。プロモーションは任せなさい」


「ミクちゃんがそういうならやってみようかな。でもミクちゃん、人間社会に詳し過ぎない?いつ学んだの?」


「私の正体であるミツクリザメはロレンチーニ器官が発達していて、それで生き物の磁力を探知することが出来ます。私はその能力を使って人間社会の電子機器の情報を受信することもできるの」


「そんなのバトル漫画の特殊能力じゃないか!世界観ぶち壊しだよ」


「擬人化とか言っている時点で今更でしょう。とにかく今日から頑張りましょうね」


「お手柔らかに…」

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