おでかけ
「うん?ふあぁ〜。おはよう〜」
「むにゃむにゃ、なんだかいい匂いがするね。あぁ朝ごはんを作ってくれたのかい?」
「僕も配膳手伝うよ。あ、美味しそう〜」
「いただきます」
「ごちそうさまでした」
「見た感じ、君の疲れは取れたみたいだね。僕が甲斐甲斐しく尽くしてあげたおかげかな?」
「じゃあ出かけようか。どこへ行こう?」
「そうだ!近くの水族館ではいろんな種類のサメが飼育されているらしいよ」
「そこへ行かない?どんな風に展示されているかも気になるし、君に僕らのことをもっと知って欲しいんだ」
「その次は服屋さん、僕に服を選んでくれよ」
「じゃあ準備しようか」
「もう行けそう?なら行こうか」
「昨日の約束覚えている?手を繋ごうって話」
「ん、ありがとう。でもこれじゃ、すぐほどけてしまいそうだよ」
「こうやって指を絡ませて。うんO K」
「何だい?こうすれば簡単にはほどけないだろう?」
「そしたら出発進行だ」
「着いたね〜。あっ、あれは何だろう?」
「大きい鐘みたいだね。何か書いてあるよ」
「なになに、この鐘を二人で鳴らすとその二人は永遠に結ばれる・・・」
「一緒に鳴らしてみようよ。べっ、別にこんな迷信を信じているわけじゃないからね」
「そ〜れ〜。美しい音色だね。ふふっ」
「ふむ、じゃあ館内に入って行こうか」
「本当にサメがいっぱいいるね〜。これはレモンザメ、それがシロワニで、あっちの頭が特徴的なのがアカシュモクザメだ」
「割とみんな快適そうだね。ご飯をたくさんもらっているからかな?」
「あっマンボウもいる。マンボウは結構飼育が難しいらしいね。何でもすぐ水槽にぶつかっちゃうとか。特徴的な形をしているけどマンボウはフグの仲間なんだ」
「こっちにはイヌザメ、ネムリブカ、オオセの仲間もいるよ」
「君も楽しいかい?僕ばっかり興奮して置いてけぼりになってはしないかな?」
「楽しい?よかった〜」
「こっちはサメの骨格標本や剥製のコーナーみたいだね」
「おおっメガロドンの歯の標本もあるや」
「大きいよね。一つの歯が僕の掌ぐらいあるもん」
「メガロドンはもう絶滅してしまったんだけど、ホホジロザメみたいな姿をしていたらしいんだ。でも歯を見てわかる通りホホジロザメの二倍以上の大きさだったみたいだよ。恐ろしいね」
「サメの卵殻の標本もある。これはトラザメの卵だよ。扁平な形状と巻きひげ状のツルを持つことから人魚の財布と呼ばれているんだ」
「ここは売店みたいだね。見て見て〜ラブカのぬいぐるみもあるよ」
「サメの歯の化石も売っているね。サメは骨が軟骨でできているから、体は中々化石に残りづらいんだ。でも歯はいっぱい出土するからね、サメは歯の形で種を同定するんだ」
「あ、鳥が浮かんでいる。エトピリカかぁ、可愛い〜。エトピリカはアイヌ語で美しいクチバシっていう意味なんだって。確かに綺麗なクチバシをしているね」
「こっちにはゴマフアザラシがいる。丸い身体で器用に泳ぐなぁ」
「水族館は面白かったね〜。海鮮丼も美味しかったし、僕はお腹いっぱいだよ」
「ところで町中のお店に女の子のパネルがあったけど、あれはなんだったんだろう?」
「へぇ、アニメと町がコラボしているんだ。この町が物語の舞台になっているんだね。今度僕もそのアニメを見てみようかな」
「町おこしの一環かぁ。僕も友好大使として参考にさせてもらうよ」
「あっ壁に何か描いてあるね。羽?」
「ここで写真を撮るのかい?あぁいわゆる映えスポットだね」
「僕の写真も撮ってくれよ。はい、翼が生えているように見えるかい?」
「うまく撮れたかい?おお、いいじゃないか」
「君の写真も撮ってあげるよ。はいチーズ」
「うん、ばっちし」
「じゃあ服屋さんに行こうか。君が僕の服を選んでくれよ」
「あの塔みたいなのにも登ってみたいし、今日はまだまだ楽しむよ」
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