おやすみ
「まだ眠れそうにない?それならとっておきの方法を僕が教えてあげるよ」
「人間界では眠れない時に羊の数を数えるんだろう?」
「同じように、シャーカニアではサメの名前を言っていくんだ」
「早速始めるよ。オグロメジロザメ、ヨシキリザメ、コモリザメ、ツマジロ、サンゴトラザメ、ヨゴレ、ウチワシュモクザメ、マモンツキテンジクザメ、ドタブカ、トラフザメ、ニタリ」
「ドチザメ、レモンザメ、クロトガリザメ、オオテンジクザメ、カマストガリザメ、ナガサキトラザメ、クロヘリメジロザメ、ガラパゴスザメ、ツマグロ」
「フジクジラ、ニホンヤモリザメ、オロシザメ、エドアブラザメ、ホシザメ、カグラザメ、ヨロイザメ、イズハナトラザメ、ノコギリザメ、ナヌカザメ、カスザメ、ヘラツノザメ、フトツノザメ・・・」
「眠ったかい?」
「寝顔も可愛いね」
「どんな夢を見ているのかな?夢の中でも僕と一緒にいてくれたらいいなぁ」
「正直僕は地上に来るのが怖かった」
「人類は環境を破壊していて、それは僕らが住む深海にも及んでいる」
「海水温は徐々に上がっていて、海中にはプラスチックが漂っている」
「その状況をなんとかしたくて、僕は人類との友好大使になったんだ。けれども、人間がどういう生き物なのかよく分からずとても不安だったんだよ」
「だから初めて会った人間が君で良かったと、心から思うよ」
「最初に助けてくれたこともそうだけど、君は優しい人だから」
「君はひねくれているから口には出さないけれども、君が環境に配慮した生活を送っていることに僕は気づいているんだよ」
「レシートやサイトの購入履歴を見れば分かる。君が僕たちの事を想っていてくれていることが」
「だから擬人化した僕は君の前に現れたのかもしれないね」
「そんな君の優しさに僕は救われたんだ」
「君が起きている時は恥ずかしくてこんなこと口にできないけど、・・・大好きだよ」
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