檸檬の様な恋

アキノリ@pokkey11.1

第?章 フラれた、後

私の恋した相手

第1話 私が恋した相手

私、敦賀瞳(つるがひとみ)は性格が臆病だ。

どの様に臆病かと言えば簡単だ。

私は持病がある。

どの様な持病かといえば発達障害だ。

その発達障害は.....空気が読めない事もある。


だから臆病になった。

でももっと臆病になるきっかけになったのは好きだった憧れだった男子の新島くんに振られてしまった事。

それで今私は帰宅している。

空から雨が降ってきた。


「.....」


自慢じゃ無いけどこの大きな瞳。

そしてツインテールは.....私の誇り。

顔は可愛いとか言うけど.....そんな事気にしない。

寧ろ私が大切に思っているのは相思相愛だったんだ。

だから振られたのが酷くショックだった。


「うあぁ.....」


涙が止まらない。

私はどうしたら良いのだろうか。

その様に考えながら重苦しい足を進める。

すると公園に行き着いた時。


「どうしたの?」


と背後から声がした。

そこを見ると先輩の長富琴(ながとみこと)先輩が傘を差して立っている。

黒髪のロング。

そして身長も高い真面目系の.....怖そうな女の子。


筋肉のある男子と勘違いしてしまうオーラ。

私はあまりの事に、なんでも無いです、とそのまま圧巻する様なオーラに立ち去ろうとした。

するとその場で転けてしまい。

膝を擦りむいた。


「ちょっと.....大丈夫?」

「.....はい.....」

「貴方は確か1年生の.....敦賀さんね。.....私は生徒会長の長富。.....私が怖いかしら」

「は、はい.....」


何で名前を覚えているのだろう。

そんな事を疑問に思ったが膝の痛みで何も思えなかった。

それから私は立ちあがろうとしたがそれを制止される。

そして何かを渡してくる。


「御免なさいね」


そう言いながら私に長富先輩は鞄を漁って絆創膏をくれた。

その事に私は赤くなりながら、有難う御座います、と笑顔を浮かべる。

すると長富先輩は、えっと.....何かあったのかしら?、と聞いてくる。

私は、い、いえ、と思い出して涙を浮かべる。


「そう。もしかしてそれは振られたのね」

「.....え?分かるんですか?」

「私もこの前フラれたから。.....分かるのよ。あはは」

「.....そ、そうですか」

「ねえ。敦賀さん。.....もし良かったらウチに寄らない?膝の手当てをしてあげるわ。私、一人暮らしだから。.....髪の毛も傷んじゃうわ」


そして長富先輩は私に手を差し伸べる。

その姿におずおずとしながらも手を受け取る。

それから私達は長富先輩の家に行った。

マンションに住んでいる様だ。



「あらら。結構擦りむいたわね」

「そ、そうですね。.....結構痛いです」

「そうなのね。.....先ずは水で洗ってから.....」


周りを見渡す。

そこは殺風景な風景が広がっていた。

女の子の部屋とは思えない感じだ。

こんなに大きいマンションに1人暮らし.....?


「.....ゴメンなさいね。変な部屋で」

「そ、そんな事ないです」

「.....そう?貴方が初めてね。そう言ったのは」


クスクスと笑いながら長富先輩は救急箱とか持ってくる。

長富先輩は、取り敢えずはお風呂入ってらっしゃい。応急処置だけしてあげるから、とニコッとしてくる。

私はその言葉に、は、はい、と声が高くなりながら返事をした。

そして私は応急処置の足でそのままシャワーを借りてから浴びる。

ちょっと傷が滲みたけど何か目的があるみたいだから.....。


「す、すいません。着替えまで」

「体操服だけどね。.....ゴメンなさいね」

「そ、そんな事ないです。.....私、嬉しいです」

「.....そう。じゃあ治療するから.....って駄目じゃない!髪の毛.....ボサボサ」

「え?あ.....」


乙女にとっては髪の毛は命だよ?、と高級そうなドライヤーを持つ。

そして頭を撫でてくる先輩。

その瞬間に私はドクンと何かが高鳴る感じがした。

それから胸が苦しくなる。


「ほらほら。動かないの」

「.....あ、ハオ.....」

「.....はお?」

「あ、い、いえ。何もないです」


私は平常心を取り戻すのでいっぱいだった。

でも何だろう今の。

先輩が男の子みたいに感じた。

それぐらい恥ずかしい。

髪の毛を触られるぐらいなのに。


「すごいキューテクルね。貴方の髪の毛。羨ましい」

「そ、そうですか?」

「良いなぁ。食べちゃいたいぐらいよ」

「そ、そんな事はないですよ」


何これ。

心臓がメチャクチャにバクバクする。

私の心臓じゃないみたい。

まるで.....まるで。

恋をしているみたい。


「さて。髪の毛を解かして.....と。.....あれ?どうしたの?」

「へぇ!?な、何でもないです」

「.....アハハ。変な返事ね。.....でも良いわ。.....じゃあそこに座って」

「あ、はい.....」


私は促されたソファにゆっくり腰掛ける。

そして心臓が高鳴る中、先輩に足を差し出す。

すると屈んだ先輩の胸元が見えた。


その瞬間ドクンとまた大きく心臓が高鳴る。

大きな胸だな、って思う。

赤くなってしまう。


「うわー.....痛いわね。これは。.....しっかり治療してあげるわね。.....痛くない様に」

「はい.....」

「?.....どうしたの?」

「い、いえ.....」


女の子。

相手は間違いなく女の子。

私が絆創膏を受け取ったのも女の子。


なのに.....何で?

何でこんなにこの人が愛おしいの?

訳が分からない。

そして何でこんなにこの人が男の人と付き合う姿を想像するだけで胸が痛くなるの?

意味が分からない!


「.....あれ?顔が赤くない?」

「え!?い、いえ!?」


慌てる私に構わず先輩は私の額に自らの額を押し付けてくる。

もしかして雨にやられた?.....熱でもあるのかなー、と言いながら。

それから私は思いっきり目線がズレて熱がヒートアップしてしまう。

ようやっと気が付いた。


これは.....私が先輩に恋をしている、と。


相手は生徒会長の女子なのに。

想いを止めれない感じが.....する。

私も女の子なのに嘘。

何でなの.....???

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

檸檬の様な恋 アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ