厨二病研究部 (バトル系)
夏休み中の人通りの少ない通学路をラムネを片手にゆっくりと向かう。
俺は
勿論部活をしに学校に向かっている。
既にサッカー部が開けた校門をくぐって古びた部室のドアを叩く。
厨二病研究部。
それが俺の所属している部活だ。
「おぉ、やっと来た」
机の上に足を乗っけた状態でくつろいで退屈そうにスマホをいじってる陰キャ幼馴染み。
クラスではノリの良い陰キャみたいなポジションだ。
言った通りこの部活のメンバーで幼馴染みだ。
「あいつは?」
「まだ」
後ろからドアを勢いよく開く音がした。
「待たせてごめん!」
息を切らしてポニーテールを揺らしながら走ってきたこいつは
この部活唯一の女子部員だ。
「撮影機材も持ったね!?そんじゃ!行こう!」
どこに行くのかは時と場合による。
海の時もあれば山の時もあるし最悪、町の中も撮影する気だ。
今回は神社。
名目としては「撮影」
普通の撮影じゃないけども。
学校からは少し離れたところにある神社。
学校ではそれほどだけど地元では縁結びで結構有名だった寂れた神社だ。
乖交神社の文字が階段の前のボロボロの石柱に彫られている。
「″居″そうだな」
数え切れなきほどの階段を上がりながら裕がぼそりと呟く。
それもそうだ。
昔は実際に見た、居た、聞いたのお祭り騒ぎだったらしい。
信憑性もクソもないし昔だけど。
階段を上がりきると町全体がよく見えるものだ。
茜色の町が妙に神々しい。
「そんじゃ始めますか!」
裕も「そうだな」と言いながら持ってきた撮影機材の中から狐の面と刀を取り出した。
狐の面を被るとそこにはいつも通りの″非日常″が視えてくる。
「もうそこに″居″るな」
そう言いながら裕は指をさす。
居るのば狐の面を被っていない葵には見えない″何か″
のはずだった指を指した方向にはなにもないかのように見えたけどそれもまた違った。
その方向には暗闇の中から手招きしているどう見ても人間のじゃない″手″がある。
あれはどう考えても手首から肘までが2メートルはある。
しかも細いのが枝と分かりにくい。
そんなのが手招きしながら森の奥に消えていく。
「人が来たらいつも通り頼む!」
葵にそう伝えて手を追う。
裕はもう走り出している。
「お前はゆっくり変化してからで良いんだからな!!」
そう叫ぶように聞こえた。
大声で
「分かった!」
と伝えると後はいつも通りだ。
大体、裕が突っ込んで俺がその後処理。
刀に火を纏わせながら森に入る。
後を追って行ったからなのか枝が沢山落ちている。
それに混じって細い腕も何本か…
切られた腕からは血の代わりに赤黒い煙のような物が出ている。
今までは「妖気」とか言う白いモヤみたいなのが出ていた。
その量に応じて強いか弱いか…みたいな事を裕が言っていた。
これの場合はそれに当てはまるのかはよく分からない。
そんなことを思い出しつつ落ちていた腕を1本拾って喰べる。
相変わらず不味い。
それを次、次と落ちている腕を一口ずつ喰べる。
そうしてちょっとずつ落ちている腕を辿りながら向かうことにした。
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