第4話 彼女の事情
私は返答に困った。どう思います?なんて聞かれても私は彼のことを知るわけないし、彼女がどう答えてほしいのかも分からなかった。とりあえず、考えるような素振りをしていると、まぁこんなこと聞かれても、何ていえばいいか分からないですよねと苦笑しながら言ってきたので事なきを得た。彼女は一息つくと、また話をつづけた。
2年生になって春を迎えても、彼としばらく会うことはありませんでした。というか会わないようにしていました。彼と同じ時間帯に乗っていたはずのバスに乗るのは辞めて、自転車通学に変えたんです。だって、気持ちが揺らいだら嫌でしたから。私は次の恋に進もうと決心していたのです。そう決心していたころにちょうどサッカー部のキャプテンに告白されたのもあったので、彼と付き合うことに決めました。私派相変わらず、サッカーをしている男に魅力を感じていました。なんだか一生懸命ボールを追いかけている姿がかわいらしいでしょ?彼は運動部らしく肌は日に焼け、隆々とした筋肉のついたとっても男らしい人でした。ただ、性格は気に入りませんでした。部活が休みの日は毎回遊びに誘われましたし、行先も決められていました。私にどこに行きたいかとか何をしたいかなんて聞いてきたことは一度もありませんでした。何でもリードをしたがって、私にはついてこいしか言ってきませんでした。そんな感じで3か月ほどでお別れすることになりました。うまくいくはずありません。私から別れを切り出してから1か月かかりましたが、何とか別れることができました。運動部の男はしつこいとクラスメイトの女子が話しているのを聞いたことがあったので、根気よく対応しました。初めてのお付き合いでしたが、もう懲りてしまって高校生の間は一人も付き合うことはありませんでした。
少し話がずれてしまうかもしれませんがあの彼と私のことを話すうえで重要な人物がいるので、話してもいいですか。
彼女はショートケーキを注文した後に、さゆりという親友の話を始めた。
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