ポチの三話 みんなで俳句を作ったよ
「はい、では一時間目は予定通りに校庭に出て俳句を作りますよ」
「「「はーい」」」
一時間目は、予定通りに校庭に出て俳句を作るんだよ。
ふふふ、ポチの文才が爆発するのだ!
「俳句は五七五の文字の組み合わせで作るのは、もう皆さん知っていますね。季節を表現する季語を必ず一つ入れます」
教科書にも載っていたけど、季語って色々なものがあるんだよね。
スイカとか、ナシとか、りんごとか、みかんとか、イチゴとか、さくらんぼとか。
うーん、季語って美味しそうだね。
「今日は、春の季語を使って俳句を作ってみましょう。一人、一つの作品を仕上げましょうね」
「「「はーい」」」
「皆さんが作った俳句は、市のコンクールに応募します。賞を取ると、賞状と記念品が貰えますよ」
「「「おおー」」」
おー、賞が取れれば良いものが貰えるんだ!
皆もやる気満々になったけど、ポチだってやる気満々になったよ。
ふふふ、一番良い賞はポチが頂くのだ。
「では、皆さんノートと鉛筆を持って校庭に移動しましょう」
「「「はーい」」」
よし、ポチもノートと鉛筆を持って準備万端。
「ミッケちゃん、リルムちゃん。一緒に校庭に行こー!」
「はーい」
「うん」
ポチは、ミッケちゃんとリルムちゃんと一緒に校庭に移動するよ。
あ、男の子達が走っていっちゃった。
「ほらほら、廊下は走らないの」
「「「へーい」」」
「返事はちゃんとする!」
「「「はい!」」」
早速、男の子達は花先生に怒られちゃった。
廊下は走っちゃ駄目だよね。
「でも、ポチちゃんもたまに廊下走るよね」
「うん」
「あれ? そうだっけ?」
うーん、ポチも廊下を走っていたんだっけ。
ミッケちゃんとリルムちゃんに言われちゃった。
ポチも、廊下を走らないように気を付けないと。
「今日は校庭で体育が行われていますので、邪魔にならないようにしましょう。また、遊具で遊ばないように」
「「「はい」」」
校庭に出たポチ達はミミ先生の合図で色々な所にちらばろうとしたんだけど、殆どの生徒がある所に集まったんだ。
校庭にはとっても大きな木があって、校舎の前にどーんと立っているんだ。
木の周りはぐるっとレンガで囲ってあるから、皆はベンチ代わりに良く座っているんだよ。
ポチも、ミッケちゃんとリルムちゃんと一緒に木の側に座ります。
「うーん、どんな俳句を作ろうかな?」
ポチは鉛筆で頭をポリポリしながら、一生懸命に俳句を考えていたんだ。
「ミッケちゃんとリルムちゃんは、俳句考えた?」
「えへへ、ちょっと考えていたのがあるんだよ」
「リルムもアイディアがあるの」
「おお、どんなの?」
ミッケちゃんとリルムちゃんは、既に俳句を考えていたんだ。
かきかきかき。
そして、ミッケちゃんとリルムちゃんは、スラスラとノートに書いた俳句をポチに見せてくれたんだよ。
「私はね、これだよ。『上履きが みんなピカピカ 新学期』新学期になると、上履きを新しいのにする人が多いから作ったんだ」
「おお、カッコいい!」
「ミッケちゃん、凄いね」
ミッケちゃんって、色々と良く見ているね。
確かに、新学期だから皆の上履きが新しくなっているんだよ。
ポチも新しい上履きにしているんだ。
「うんとね、『たんぽぽの 綿毛がふわっと 飛んでいく』を作ったの。この前、道端でたんぽぽの綿毛が風に吹かれて飛んでいったのを見たんだよ」
「わあ、たんぽぽの綿毛が飛んでいく光景だね」
「リルムちゃんらしい、綺麗な俳句だね」
リルムちゃんは、とっても綺麗な俳句を作ったんだよ。
そう言えば、学校帰りにミッケちゃんとリルムちゃんと一緒に帰ったら、風が吹いてたんぽぽの綿毛が飛んでいったのを見たなあ。
ポチには、こんなに凄い俳句は作れないなあ。
「ポチちゃん、イベントとかで考えても良いんじゃない?」
「例えば、入学式とか始業式とか」
「おお、ポチ思いついたよ」
ミッケちゃんとリルムちゃんのヒントで、ポチ良い俳句を考えたんだ。
かきかきかき。
ふふふ、ミッケちゃんもリルムちゃんも、ポチがノートに書いた俳句を覗き込んできたんだ。
「何々? 『始業式 校長先生 ズラずれた』って、ポチちゃんこれは駄目だよ」
「確かに、校長先生の挨拶の最中にかつらがずれたけど」
「うーん、そっか。消し消し」
ポチながらにナイスな俳句だと思ったんだけどなあ。
校長先生のかつらがずれた時は、みんな爆笑していたんだけどなあ。
「後はね、食べ物で作ったらポチちゃんらしいかも」
「ポチちゃん、食べるの好きだよね?」
「おお、確かに!」
ミッケちゃんとリルムちゃんのナイスアドバイスで、二つも良い俳句を思いついたんだよ。
かきかきかき。
ふふふ、これならミッケちゃんとリルムちゃんもびっくりするよ。
「えっと、一つ目が『ひな祭り 甘くておいしい ひなあられ』うーん、内容以前に季語が二つ入っているよ」
「もう一つが、『桜もち お口いっぱい 食べたいな』これは、シンプルでいいかも」
「おお、なら二つ目が採用だね」
リルムちゃんに良いっていって貰ったのを、ポチの俳句として先生に見てもらおう!
早速、ミッケちゃんとリルムちゃんと一緒に花先生の所にいきます。
「あら、三人が一番乗りですね。ちゃんとできたかな?」
「「「はーい」」」
「じゃあ、さっそく確認するね」
確かに花先生の言う通り、他の人はまだ俳句を作っているよ。
ポチ達が一番乗りだったんだ!
そんな事を思っていたら、花先生の確認が
「はい、三人とも良いですよ。ポチちゃんもミッケちゃんもリルムちゃんも、それぞれの良さが出ている俳句です」
「「「ありがとうございます!」」」
「では、二時間目にこの俳句を清書して、コンテストの提出作品にしましょうね」
「「「はい!」」」
やった、花先生のオッケーが出たよ。
これで、ポチの俳句が賞を取るのは間違いなしだよ。
どんな結果がでるか、とっても楽しみだな。
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