6 襲撃!?


私は急いで起き上がる。


「ティル!何が起きたの!?」

「あ、ルベリーナ……起きちゃったの?」

「……襲撃。」


ミルミルはテントの外を指さす。

女性の姿をして下半身が蛇のような敵が複数いた。

その敵を指さしながらライアートが言った。


人蛇じんじゃっス。」

「人蛇……?」

「……魔王配下の四大魔獣の一つ。詳しくはステータスを確認して。」

「わかった。」

「ルベリーナ様が起きたのでオレもギルの加勢してくるっス。」

「ありがと!私もすぐ行く!」


私は急いでステータスを確認する。




【人蛇・魔獣】(部下)

体力:1000、攻撃力:300、素早さ:120


〇スキル[属性・水]

・「水の爆発アクアボム

→水を吐く。水が体にかかったら毒を受ける。毒は1分ごとに100ダメージを与える。人蛇を倒すか、回復専門の魔術師しか呪いは解けない。

・「水爪アクアクロー

→体の一部を噛みついてくる。止血機能を阻害し、最悪死に至る。




ステータス的には弱そうだけど、スキルがちょっと厄介だな……。

ギルとライアートは大丈夫かな?

私は二人の方を向く。


「……っ!!」


ちょうどギルとライアートに人蛇がスキル「水の爆発アクアボム」を発動して、水を吐き出しているところだった。

私は急いで声を張り上げる。


「逃げて!!」


でも、遅い……。二人に水が包み込むようにかかってくる。



「「「「「……!!!」」」」」



その場にいた全員が目を見張る。

ギルとライアートは濡れていなかった。


「……ミルミルっ!!!」


……そう。ミルミルが二人を庇うように水を受けたのだ。


「ギルとライアートは戦闘を続けて!モーナとルベリーナはミルミルのもとへ!」


ティルがてきぱきと指揮をとる。

私は急いでミルミルに駆け寄る。


「ミルミル!大丈夫!?」

「……。」


ミルミルは何も答えずに苦しそうに悶えていた。

これが呪い……。

ミルミルの体力は600。

2分経ったらミルミルは消えちゃう。

もちろんセーブだってしていない。


「ミルミル!ミルミル!!」

「……心配かけて、ごめん。……最期まで、役にたてなくて……ご、めんな、さい。」

「最期なんて言わないで!諦めないで!!……モーナは呪いを解くこと出来ないの!?」

「……申し訳ございません。まだ取得していないものですし、できたとしても5分かかってしまうんです。」

「……っ!そんなぁ……!!ミルミル、もうちょっと我慢して!!」


「……大丈夫。……最後くらい、誰かの、役に立ちたかった……から。……私は、あまり戦えないから……いても、いなくても……変わらない、よ。邪魔なだけ……だから。」



「なんでそんなこと言うの!?」



私は怒鳴るように言った。



「私はミルミルが大切なの!邪魔か邪魔じゃないかなんてミルミルが決めるものじゃないの!……私はミルミルが大切!!絶対に死なせたりしないから……!!……諦めないで!!」



すると、ミルミルは声をあげて泣いた。

顔をぐしゃぐしゃにして泣いた。


「モーナ、ギルたちの回復に行って。」


私はモーナに指示を出す。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

リアル!ファンタジーゲーム 飛鳥部あかり @asukabe

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ