セーブ3
1 平和なひと時
ライアートが新たに仲間に加わって活気づいたなか、私はまたミルミルに聞く。
「次はどこに行くの?」
「……もう日が暮れる。だから、寝床探しを優先。」
「OK。ありがと。」
私たちはミルミルについていき、また怪しげな森林の中に入っていった。
「……ここは、クリスト聖地森。スペースは十分。」
私はミルミルにお礼を言う。
「あの~?もしかしてわたくしたちここで野宿ですの!?嫌ですわ!!」
「え~そう?じゃあテントとか建てる?」
「ええ!もちろんですわ!!」
モーナの願いを聞き入れて、私は力をためてテントを創る。
その様子にライアートは大げさに驚いて、ティルは得意げに
そして、一応焚き火をつけた。
パチパチとなる火の音はなんだかとても素敵だ。
そして、私たちは小さいテントの中に体を寄せ合い一緒に入った。
「モーナって何歳なの?」
「うふふ。何歳に見えますか?」
「……18歳?」
「34歳!」
「40歳!!」
「68歳!!!」
私は何気にモーナに聞いてみると、みんな食い気味で食いついてきた。
ギルとライアートとティルは完全にふざけているよね?
「皆さんそろって失礼ですわ!ぶっ●しますわよ!?」
「ま、まあまあ……。で、実際はどうなの?」
「あ、わたくしとしたことが何と下品な言葉を……。申し訳ないです。で、実年齢は14歳です。」
「え!若い!」
「うふふ。ありがとうございます。」
モーナは小さく笑って、横目でギルたちを睨む。
私は思わず苦笑い。まあ、確かにあの三人が悪いよね。
「ギルとライアートはどんな関係だったの?」
「あ~幼馴染で、よく遊んでました。」
「……そうっスね。ギルは昔からヤンチャで、オレはよく泣かされていたっスね。」
「……!」
「ギルはそんなに悪い子なの?」
「い、いや。決してそんなんじゃないんです!」
「警察に声かけられたり、近所の子には悪魔って呼ばれていたり……。」
「おい、いうなよ!」
「ザマーミロですわ!!」
あははははとみんな笑う。
二人はほんとに仲が良かったんだね……。
いつも無表情のミルミルも笑顔で笑っている。
「次ティルの番ね!」
「いや、ティルはただルベリーナ様について語るだけだろ。」
「ええ!?嫌なの!?」
「う~ん……。わたくしたちはティル自身について知りたいですわ。」
「そっか……。ティルのこと……。あ!ティルが喋れるのってね、ルベリーナが言葉を教えてくれたからなんだよ!前だってルベリーナがティルに……。」
みんな、また始まったと言わんばかりに目を合わせる。というか、
「それでね……。」
「あ、ミルミルは昔どうだったの?」
私はティルの話を遮りミルミルに聞く。
「………私は別に……。」
ミルミルは首を振って消えそうな声で言った。
私は急いでミルミルに謝る。
「あ、そうだもんね。過去のことってペラペラ人に話したくないよね。ごめんね。」
ミルミルは私の顔をまじまじと見た。
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