第5話 ウーヌスの退所
あれから少しだけ日が過ぎ、いよいよウーヌスが退所する日がやってきた。
今日がウーヌスと過ごす最後の日となる。
今晩は、ささやかだが孤児院の皆で送別会をすることになっている。
昼食の時間となり、孤児院の皆がささやかな食事をしながら羨ましそうに話をしている。
孤児達は外に出ることがほぼ無いため、孤児院の外の様子が気になるようだ。
プエラという女の子がウーヌスに問いかける。
「ねえ、ウーヌス。
孤児院の外ってどんなところなの?」
ウーヌスは面倒くさそうにしながらも、仕方ないなと言ってから、プエラに答える。
「もう何度も言ってるが、外には何でもあるのさ、何でもな。
だが、それを手に入れるためには金が要るんだ。」
それを聞いて、パーテという一番幼い男の子がウーヌスに問いかける。
「お金って、どうやったら手に入るの?」
「ん?お金か?
仕事をしたら、お金を貰えるんだ。
自分で勝手に働くんじゃなくて、頼まれた仕事をしっかりとやらなくちゃ貰えないんだ。
だから、ここでも練習だと思って、しっかり手伝いをするんだぞ?」
パーテの頭を撫でながらウーヌスが答える。
パーテはくすぐったそうにしながら、はーいと答えていた。
ウーヌスは食事が終わったようで、立ち上がりながら声をかける。
「さて、俺はもう一度出かけてくるぜ。
皆も飯を食い終わったら、しっかり手伝うんだぞ?
じゃあ、夜になったら戻るわ。」
ウーヌスと孤児達は、互いに手を振って別れの挨拶をしていた。
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