第5話
なんで好きなのにOKを言わないのか疑問に思ったと思います。俺は今まで告白したこともされたこともありません。だから何もわからないんです。もし俺があの子に好きを言ったら、もう会えない気さえするんです。
「今日の夜雪降るらしいですねぇ」
「明日の状況次第で休校だな」
「お!大雪かもん!!」
「…で、なんで俺の教室来んだよ」
「センパイに会いたかったからです」
「…とりあえず帰ろうか、ほら俺のクラスメイトたちに怪しまれてるから…」
「センパイはいつも、私の恋の集中を切らしますよね!」
「よーわからんけど…課題やるから帰りな。見ててもつまんないしね」
そう言われた彼女はふてくされた顔で教室を出た。
「じゃあまた、放課後に!」
かと思えば、笑顔で手を振った。
私はセンパイが好き。大好き。でもセンパイはこの冬を超えたら受験生。勉強の邪魔になるものは切り捨てると思います。それが意味するものは簡単で、センパイに好き好きと付きまとう私は__。
「放課後、ちゃんと話してみようかな」
彼女は悲しげな表情を浮かべ、自分の教室に戻った。
高校1年、真冬。私は自分の恋心の居場所をなくした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます