第3話

正直な話、私みたいなメンタルなら好きバレしてるほうが楽です。素直に好きと言ってもいいですし。

「おー、早いなお前」

「センパイ待ってました!」

「え、なんで?」

「言わせないでくださいよ!」

「あー、なるほど」

彼はニヤニヤしながら机に向かった。

「…あの、それで。センパイに好きバレしてからもうだいぶ経つんですけど…返事はくれないんですか?」

「え、返事?」

「はい!」

「まだ待ってねぇー」

「もう!!もしかして卒業までお預けとかそういうやつですか!?」

「あ、じゃあそうしよ」

「うがぁーっ!」

「ほら学べ学べ!それ集中しないと解けないぞー」

「…わからないので教えてください」

「しょーがねーなー!」

彼は笑って彼女の勉強を見てあげた。ちょっと頭をひねらせる問題だったが、彼には朝飯前だった。

「ほらこれだけ。もっかいやってみな」

「はーい!ありがとございますー!」

「集中力切れる前にここまで全部やっとけ。明日忙しいんだろ?」

「え」

「?」

「集中力切れましたー!わっはっはー!」

「椅子の上に立つな!座れ!集中しなさいよ!」


高校2年、夏。俺は後輩に恋をした。

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