第2話

私は恋をするとすぐ好きって言っちゃう癖があります。でもこの人には、ちゃんと真面目に好きって言いたい。他の人に言った好きは真面目じゃないってわけではなく…軽い奴だと思われたくないんです!

「こんにちはセンパイ!」

「よー」

「YO!チェケラッチョ!」

「…とりあえず勉強しようね、ここ自習室だからね」

彼は笑いを抑えながら言った。

「すみません…」

彼女は凹みながらも、いつも通り隣に座った。

実はもう、恋をしてから2ヶ月ほど経ちます。まだ好きは言ってません。私にしてはよく耐えているほうです。何度好きが口から溢れそうになったかはわかりませんが!

「…何見てんの?」

「ぎゃ!?」

「あ、ごめん…何見てんのかなって…」

「あー!センパイの字が綺麗だなぁって!」

「…いやこれ汚いだろどう見ても!おま、読めるかこれ!?」

彼はずいっとノートを差し出して見せてきた。彼女は恐る恐るそのノートに手を添えて、彼の字をじっと見つめた。

「…えーっと、私は、こーゆー感じの字が、好きでして…」

これはセーフです。私は今センパイの字に告白しました。

「嘘つくの苦手なんだな」

彼はふっと笑った。彼の目に映る彼女は、正直に見えていた。

「ピチピチのピュアなんです!」

「そうかー?」

「そうですっ!」

「なんだかなぁー?」

「好きな人に嘘はつけません!…あ!?えぇ!!!?」

「!?急に大声出すなよ…!…ん?今なんつった?」


高校1年、初夏。私の恋心は好きな人にバレた。


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