閑話:ステータスと各スキルについて

 教会に来て修行が始まったばかりの頃。

 ある晩、ゴルドスに聞いて気になっていたステータスを見てみることにした。

 『ステータス』と頭の中で念じる。

 すると、目の前にステータスを表示するウインドウが出てきた。

 ベッドで仰向けに寝転がりながら、ステータスを確認する。



【名 前】エト

【年 齢】10

【職 業】聖者

【レベル】1

【体 力】55

【魔 力】590

【攻撃力】20

【防御力】20

【素早さ】25

【スキル】聖属性魔法 創造魔法 武術 鑑定

【加 護】創造神の寵愛



 トレーニングの成果だろうか、少しだけ数値が上昇しているようだ。

 レベルが変わらないのは、やはりゲームのように魔物を倒したりしないといけないのだろうか。

 それに、職業【聖者】って。既に決まってるんだ。まぁそのために転生したんだもんね。あとはやっぱり、戦士とか魔法使いとか商人とか、他にも色んな職業が存在しているのだろうか。

 分からないことだらけで、色々と気になってしまう。

 前世では、アニメやライトノベルはたまに見ていたけど、のめり込んでいた程ではなかった。ゲームについても、流行りのRPGは好きだったが社会人になってからは全然やっていなかったし。

 そのため、ステータスとかスキルとか剣とか魔法とか、何となく理解はできるがいまいちピンとこない。


「もう少しちゃんと見ておけば良かったかなぁ」


 今更後悔しても仕方ないんだけどねぇ。

 人生、本当にどこで何が役立つか分からないもんだ。

 社会人になってからは、仕事で忙しくて休日は寝てばっかりだったからなぁ…。

 まぁ今の現状は、その時の日頃の不摂生の結果でもあるけれど。

 でも、まさか自分が物語の主人公みたいに転生するとは思わないじゃん?


「とりあえず、各数値は修行すれば上がっていくとして…。このスキルとか加護のことが知りたいんだよねぇ」


 文字だけ見ればある程度の想像はつくけどさ。

 でも、せっかくだから詳しいこと知りたいとは思うじゃん。

 何となくウインドウの【創造神の寵愛】を触ってみたら、さらにウインドウが展開された。



【創造神の寵愛】

 創造神に選ばれた者が授かる加護。即死やあらゆる状態異常を無効化し、ダメージを半減する。



 ウインドウにはそう表示されている。

 イケメン神様の寵愛凄いな…。

 そして同じように、各項目に触れて表示していく。



【聖属性魔法】

 光属性魔法の上位魔法。浄化と回復に特化する。


【創造魔法】

 術者の想像により、属性問わず新しく魔法を創造し使用することができる。


【武術】

 あらゆる武器を習得可能にし、成長を促進する。


【鑑定】

 人や物のステータスを見ることができる。



 おぉ、色々見れて便利だな。

 にしても、これって結構チートなやつでは…?

 魔法も武器も思い通りに使えるってことでしょ?

 その他のステータスが伴ってないと意味がない気もするけど…。


「しばらくは、頑張って訓練するしかないのかな…」


 魔法を創造するにも、魔力消費するし、想像力も大事だろうし。想像力については、幼い頃から魔法とかファンタジーな世界観が大好きだったから得意な方だとは思っている。

 しかし、武器がね…。習得可能ってことは、実際に使って覚えないといけないわけで。ゴルドスとの訓練をこなすしかなさそうだ。

 そもそも比較対象がいないから分からないが、レベルもステータスもどう見ても初期設定レベルだと思う。こればかりは地道に努力して上げていくしかなさそうだし。

 自分が戦うシーンなんてまだ想像できないし、できればそういう状況に遭遇したくもないけれど。

 痛いのも苦しいのも嫌だしね。


「セカンドライフを楽しむためにも、ぼちぼちやるしかないかぁ」


 せっかくなら、アルスピリアでの人生は楽しんでいきたい。

 アニメやゲームの主人公になったつもりで楽しんでみるかな。

 戦いは遠慮したいけど、自由に魔法が使えそうなのは嬉しい。

 今世での役割はしっかり果たすように頑張るとして、修行は厳しいけど努力しよう。


「明日は魔法の訓練か…。しっかり寝て回復しておこう…」


 ウインドウを閉じ、徐々に重たくなってくる目を閉じて眠りについた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る