注意書きあります*ラスト
……なんて、思っていましたが。
小屋まで、途中休憩もなく歩き切ることができました!
レベルがあがると体力があがるんでした。ダンジョンの上の畑に行くのも早くなってたんでした。
……というか、もしかしなくても、私、またレベル上がってる?体力も上がった?
包丁も泡だて器も絶対モンスター倒すのには使わない。あれは調理道具!……うん。そう。武器じゃない!
当たり前のことだった。
小屋につくと、すぐにセバスティアンさんが捜索隊の面々にリリアンヌ様が見つかったことを報告。大歓声が上がっている。
小屋の扉をキリカちゃんが開いて中に入ると、セバスティアンさんがおおと小さく声をあげた。
「どれだけ押しても引いても開かなかった扉が!」
「ああ、防犯用の付与魔法がしてありますからね」
「そういえば、モンスターが入り込まないように付与魔法をブライス君してくれたんだったね」
それまでは部屋は登録した人しか入れないみたいな感じだったけど、小屋には誰でも出入りできたんだよね。モンスターすら……。
「セバスティアン……ふふ、そうよね。モンスター級ですもの」
クスリとわらって、リリアンヌ様が小屋の扉を開けようとして、開かなかった。
「あ、あああ?」
ぐっと引いたり、うっと押したりするリリアンヌ様。
「登録した人以外は招かれないと入れないようにもなっています。どうぞ、おはいりください」
ブライス君があわててリリアンヌ様とセバスティアンさんに声をかけた。
懐かしい我が家。
あ。
我が家だって。うん。もうすっかりここが我が家だ。
日本に帰りたいともあのマンションに帰りたいとも思わない。この小屋よりもずっと長く暮らしていたというのに。
数日離れていただけで、この小屋はこんなにも懐かしくて、帰ってきたとホッとできる場所になっている。
「少し埃っぽいわね」
リリアンヌ様の言葉に、掃除しなくちゃと思ったら。
「「浄化」」
声が重なった。リリアンヌ様とブライス君だ。
「あら、ブライス君は浄化魔法も使えるのね。もしかして戦闘系魔法よりも生活魔法が得意な感じなのかしら?」
あっという間に埃っぽさはなくなる。便利な魔法すぎる。
レベル10になったら魔法が使えるようになる。
……もう、最弱冒険者でも何でもレベル10になっていろいろな魔法を使えるようになった方がいいのかな?
冒険者だからって、冒険しなくてもいいんだよね?最弱の冒険しない冒険者……。
なんだか、働かない労働者みたいな感じで、良くない響き?
くぅーっと、どこからかお腹のなる音が聞こえてきた。
「ああ、失礼。ここのところ食事を抜くことが多く」
セバスティアンさんが恥ずかしそうな表情をする。
「だめなのよ!ちゃんと食べないとなの!」
「そうだぞ!冒険者は体が資本だから、食べることをおろそかにしちゃダメなんだ!」
子供二人に叱られて、セバスティアンさんは嬉しそうな顔をした。
「ちゃんと、冒険者になるために必要なことを教えてもらっているんですね」
「そうね。ローファスはちゃんとやっているのね」
リリアンヌ様も嬉しそうだ。
「お腹が空いているなら、何か……ユーリ姉ちゃん、荷物運んでくれたんだからセバスティアンさん食べていいんだよな?」
うんと頷く。
カーツ君が食糧庫に行ってからすぐに戻ってきた。
「すぐ食べれそうなものは、干し肉しかないけど……」
カーツ君が干し肉……あれは、角煮を干したバージョンですね。
遠慮しそうなセバスティアンにリリアンヌ様が声をかける。
「セバスティアン、干し肉お好きでしたわね?いただきなさい」
干し肉が好き?それはもしかしてリリアンヌ様の気遣いの言葉なのかな?
干し肉は冒険者の携帯食として優れてるから食べるけど、好んで食べるものではないというイメージなんだけどな。
「ありがとうございます。冒険者時代に干し肉にはお世話になったので、今でも時々食べたくなるんですよ」
やっぱり気遣いだ。時々食べたくなるっていうのは……ね。好物なら毎日のように食べてるとか言いますよね……。
カーツ君がせっかく持ってきてくれたから、気遣いでリリアンヌ様もセバスティアンさんも言ってるんだよね。
「すげーうまいから、驚くよ!」
カーツ君がニコニコ嬉しそうに、本当はあまり好きではないけどオーラなど気が付かずに笑っている。
あとでいただくとは言えず、セバスティアンが干し肉を口に入れた。
「!」
目が開かれる。
「これは……長年冒険者をしていて、干し肉には嫌と言うほどお世話になってきたけれど……」
はい、さっきも聞きました。というか、嫌というほどって、嫌だったんですね……!
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注意書き
このあたりはなろうにもある部分と重なります
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