ダイーズ+ダンジョンルール試験問題

「それから、魔法の基礎講習は無料で受けられます。レベルが10になってからはじめて皆さん魔法を使うわけですから。基礎以上の初級中級上級、それ以外の何かに特化した特殊な魔法などは、MPポーション5本から受けられます。講座によって必要なMPポーションの数は変わります」

 へぇ。

 そうか!

 魔法の講習もあるんだ!

 というか、魔法!そうだ!僕もレベルが10になったんだから、魔法が使えるようになったんだ!

 どんな魔法が使えるんだろう。

 早速魔法の基礎講習は受けてみよう。それから、何の講習があるのか見てから……あ、受講にはポーションが必要だって言っていた。

 ポーションを買わなくちゃいけない。どこに売っているんだろう?

 村なら村長さんが管理してて、村人が必要な時に売ってくれたんだけど……。

 なんせ、小さな村だったから、お店が一つもないし、行商人から個別に購入すると、必要な時に必要な人が持っていないなんてこともあって困るから、村長さんが結局店のようなことをしていてくれた。

 どの店に行けばポーションは売っているのかな?村とちがって街は広すぎて探すのも大変そうだ。

 お金、足りるかな……。村を出るときに持って来たお金……ギルドで講習を受けるのに何日もかかるなら、宿代も必要になるし……。

 講習は諦めて村に戻った方がいいのかな?でも、せっかく遠くから来たし。魔法が使えるようになったら、村でも何か役に立つかもしれない。

「なぁ、講習どうする?」

「とりあえずさ、初級ダンジョン行ってみたくね?」

「行きたい!」

「だよなー。講習よりダンジョンだよなぁ。早くダンジョン行きたい」

 スパーンと、受付のお姉さん……今は、講習の先生として教壇に立っているお姉さんから何かが飛んで、後ろで話をしていた二人の額にすここーんとぶち当たった。

「無駄話しない。それではいつまでもダンジョン行きの許可が下りませんよ!」

「先生、進めてください」

 真面目そうな女の子が手を上げた。

「そうね。じゃぁ、テストをします」

 と、紙とペンを配られた。

 あ……。

 顔が青ざめる。

 何を書かされるのか分からないけれど、僕は自分の名前以外、字が書けない。村じゃ、誰も字が書けなかったから。唯一村長が数字だけは知っていた。

「はい、この問題を解いてください。答えは〇か×で書けばいいので、文字が書けない人も大丈夫ですよ」

 そうか。〇と×なら書ける。

 けど、前に貼られた大きな紙に書いてある文字が読めない。

「文字が読める人はどんどん問題を解いていってくださって構いません。読めない人のために、今から1問につき2回ずつ問題文を読み上げます。よく考えて答えてくださいね。もし、問題を聞き逃してしまった場合は、挙手してください」

 ほっ。

 よかった。問題文を読み上げてくれるんだ。それなら大丈夫。

「では、第一問。ダンジョンの中で、血を流して倒れている人がいました。周りを確認してモンスターの姿が無かったので、すぐに駆け寄り、背負って出口に向かいました。――この行動は〇か×か」

 なんだ、簡単な問題。

 そりゃ、もちろん〇でしょう。

 血を流しているなら怪我をしているはずだ。

 怪我人がいたら助けなくちゃだめだよね。

「第二問。ダンジョンの中で、怪我をして動けなくなりました。そこに強そうな冒険者が現れました。そこで、助けてほしいとお願いしました。冒険者が断ったので、では誰か助けを呼んでほしいと言いました。この行動は〇か×か」

 ん?

 ひっかけ問題かな。

 強そうな冒険者と言っているから、本当は強いとは限らないということ?

 だから、助けてといって助けてくれなかったからって、怒ってはいけない。怒らずに、助けを呼んでほしいと別のことを頼むんだから、〇だよね?

 自信をもって〇をつける。

 前の席の性別不明の綺麗な子は、すでにペンを置いて紙を裏返している。

 もう、全部解き終わった?



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はい。ダンジョンルールありましたね。

覚えていますか?

キリカちゃんがパンを我慢したあたりの初期のやつ……。

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