第3話 完成しない!
おかしいな…。いつまでたっても陸地と海の形が決まらない。多分こだわり過ぎているからだと思うのだけれど、体積としては後半分ぐらいだからここからもこだわるとしよう。だって、ここでこだわりを捨てたら見る神が見れば、手を抜いたように見えるだろうからね。
私の世界を作り始めてからずいぶんと月日が経過した。どのぐらい経過したかというと創世神が関与せずに生まれた世界が生まれてから滅ぶまでを3回ほど繰り返すぐらいだ。創世神が関与していない世界は創世神が関与している世界と比べて平均で100分の1ほどの時間しか存在することができない。なので、そこまで長い時間は立っていないのかもしれないがよく分からない。少なくとも普段の私であればこれほどの時間があれば、仕事の100や200はこなせるので1つのことにこれほど時間をかけたのは初めてだ。おかげで、非常に満足のいくものが完成した。ちなみに、世界を動かしてからでも作ることができるダンジョンと呼ばれるものに関しては入り口だけを作成して放置している。まあ、迷宮の種をあちらこちらに蒔いておいたのでしばらくは問題がないだろう。
それでは、次に特別な力を持った神徒を造るとしよう。
神徒として造るものは最初から決めている。それは教科書の中でこれがいいと思ったものだ。
1つ目は鳥だ。鳥は鳥でもただの鳥ではない。白い羽毛を持ち、羽ばたくだけできらきらとした粒子が舞う鳥だ。しかも今回は一から造るので鳴き声まで自分で決めることができる。というわけで作業開始だ!
世界を造った半分ほどの時間をかけて1羽の巨大な白い鳥が完成した。この鳥には事前に世界の知識をインストールしておいたので、問題なく活動できるだろう。ちなみに名前は
神徒が1匹では話にならないので後2匹程度作るとしよう。
2匹目は野山を駆け回ってほしいので、4足歩行の生物にしようと思う。だけど、私自身すべての4足歩行の生物を知っている訳では無いので創世の教科書の神獣のページを開いて調べることにした。しばらくの間これでもないとつぶやきながら見ていると、ついにこれと思える生物を見つけることができた。というわけで作成開始だ!
先ほどよりも知識のインストールなどに手間取らなかったおかげで先ほどの2/3ほどの時間で作ることができた。名前は
さて、後1匹は何にしようかな……。空、陸と来たので水中で活動できる生物にしよう。と思ったのだけれども私は水中で活動できる生物は苦手だ!なぜならモフモフがないからである。先ほど神獣のページを開いた際に水生の生物のページも見たのだけれどもどれもかわいくなかった。よって、作る意欲が湧かない。そういえば、ゼンが困ったことがあれば頼ってくれと言っていたような気がする。よし、頼るとしよう!ところで、ゼンはどこにいるのだろう……。
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