第12話 刺繍の名前入りハンカチ
イチコさんの名前を、カタカナから少しだけ崩して刺繍する。こういうこともあるから、小さめの刺繍枠も買ってあってよかった。気に入ってもらえるかな?
ニコさんの名前も少しだけ崩す。イチコさんには、苺の刺繍をしたから、ニコさんはニコニコマークってわけにはいかないので、マーガレットの刺繍を施す。
そして、なんとなく気が弱そうなミコさんは、あかるく輝いて欲しいから、ひまわりを刺繍した。
夜着の浴衣も着付けを手伝ってもらったからいつでも眠れるし。
と、いうわけで。今日はここまでにしよう。なんとなーく疲れてしまったので、着物の型取りはまた今度、ということで。
浴衣を着付けてもらっている時に、なんとなく型紙が頭の中にインプットできたから、型紙にアウトプットするのはまた今度にしよう。欲張るとろくなことがないもんね。
そしてあたしは、もっと大事なことに気がついた。
明日の夜は、太郎さんと寝屋を共にする。つまりは、そういうことなわけで。
……ひぃ~。
あの狐耳のもふもふ最強イケメンを見てしまったら、色々なことが、もう本当にどうでもよくなってくるから不思議だ。
あの太郎さんが、狐の王様かぁ。初めて会った時、あたしはまだ子供だったからなぁ。
ここにいるみんな、それぞれがなにかを抱えているような気がするのに、新婚で浮ついた気持ちでいたら、なんだか悪い気がする。暫くの間は、なにもしないでって、太郎さんに頼もう。うん、それがいい。
ふぁ〜あ。眠くなってきた。おやすみなさーい。
つづく
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