大人気アイドルゆりまりの独占ライブチケット当たったんだが……

小鳥遊NEØ

第1話 独占ライブ

「こんにちは〜! 今日は、ゆりまり独占ライブに足を運んでくれてありがとう〜!西野ゆりです〜!」


「……西野まり」


「ステージ見てるならわかると思うけど、1人しか居ないでしょ? 。ん? なぜ名前が2個か? それは…………私達は2人で1人なの」


「あ〜! そうそう! 二重人格ってやつ! ん〜? どっちがメインかって? そんなこと聞かないでよ! 私達はお互いがお互いを大事に尊重しあってるんだから」


「ごめんねって? なに?  許して欲しいの? ん〜。どーしようかな。じゃあ、私のお願いを聞いてくれたら許してあげなくもないよ」


「お願いって何かって? だってよどうする? まり」


「ゆりのしたいお願いで……いい」


「ほんとまりはいつもそうだよね〜! 可愛いからいいんだけどね」


「……かわいく……ないし……」


「せっかくのね、ゆりまり独占ライブだしね? 見に来てるお兄さんの為に何かしようと思ってたのになぁ……」


「……冗談。本当は怒ってない。ゆりの悪い癖だから気にしないで……」


「ちょっと! まり! なんで言っちゃうの!! 内緒だって言ったでしょ!」


「……せっかく来てくれたから。可哀想……」


「それもそうだね! じゃあ早速お兄さんの為に私達に出来る事するよ! ね? まり」


「……うん。がんばる……」


「で、何して欲しい?」


「えっ? お兄ちゃんって呼んで欲しい? そんなのは全然いいよ! お兄ちゃん♡ ほら、まりも言ってあげなよ!」


「…………おにぃ、ちゃん……」


「まり可愛い!! 略してまりかわ! 私にもお姉ちゃんって言って!!」


「……嫌。それに、お姉ちゃんはわたし……」


「なんでそうなるの!」


「……ゆり、おにぃ待たせてる」


「あ、忘れてた! ごめんねお兄ちゃん♡」


「え? 許してくれないの? 本当にごめんってば!! お願い! 許して!!」


「……私からも謝罪する。ゆりがごめん」


「ちょっと! なんで私が全部悪いことになってるの?? 一応この体まりのでもあるのよ?」


「……でも私やってない。ほらまた忘れてる……」


「…………あっ。ごめんねお兄ちゃん。本当にごめん!」


「……度々ゆりがごめん」


「本当にごめん! なに? 許してくれる? 本当!? え? ただし条件がある?


「…………本当にそれやるの?」


「……ゆり、許さない」


「ごめん! ここだけ一緒に切り抜けて……」


「…………嫌。もう私怒った」


「……もう! まりのケチ! じゃあ、まりの了承も得たところで行くね! 準備はいい? お兄ちゃん」


「行くよ。ちゃんと聞いてね? 1回しか言わないよ?」


「お兄ちゃん………………」


「…………おにぃ」


『好きだよ』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

大人気アイドルゆりまりの独占ライブチケット当たったんだが…… 小鳥遊NEØ @takanasi__0512

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ