どうにかせねばならぬ
ギャルソン・コマンタレブ は其の話を聞いていました。
「私は、ファッションデザインなんかを仕事にしてると思うんだけれで、センスっていうのが大事よねえ。と。」
コマタレブは、ファッションをデザインして、裁縫をするのですが、其のセンスの良さと言ったら、一級者でした。
「こういった、見て、聞いた情報をから、形を、柄を、イメージして、引きよせて描くのよ。そうすると、夢でみたデザインに近づくのよねえ。なんだかそういったデザインんだ夢の中で飛んで来るのよ。私は其れを書いているだけなの。」
と言いました。
「彼奴は阿保だよ。彼奴は、愚かな奴なんだ。僕は彼奴を許さないんだ。」
「事故って死ねばいいのに。」
「そんな鬱陶しいメンバーでよく、行動ができるなあ。其れに運転免許書はもう持っているんだから、自分で運転していけるのによくこのクズ共に送ってもらおうと思ったねええ。」
やっぱり、お前は、私と違って、親を憎んでいないのか。家族を憎んでいないのか。
と彼は言いました。
「私は、如何して兄さんが、こうも家族を憎み、嫌っているのかが分からない。」
と彼女は言いました。」
めでたい奴だ。と彼は吐き捨てました。
あのような、クズ親のクズ性に気が付かないとは、全く、めでたい奴だ。
賢月 菜樹禰は兄の 賢月 洋祐がこんなに悪魔の様に、家族を呪って、父も母も、祖父も、祖母も殺して終ったのが恐ろしかった。祖父何て、きっと彼を心配していたはずだ、息子がかなりの失敗作で駄目な男だったから、後継ぎにも、それに兄さんは優秀だったから、期待もされていたはずなのだ、其れがこの様な、事になって終ったのは、きっと、兄さんが、かの家族を実は恐ろしく憎んでいて、嫌っていて、その嫌悪で愛にそうだったからなのだろう。
「私も知らなかった。まさか彼が此処迄私たちを嫌っていた何て。そういった事はおくびにも出していなかったから、彼が私たちを嫌っていたって知らなかったのよ。」
と彼女は言いました。
私たちの母親の賢月 弥生 旧姓 観月 は、そういって、兄を殺しました。
「母さんが、まっさかあんなに愛していた息子を殺したなんてね、あの時はびっくりしたよ。」
菜樹禰はそう言って驚きました。
兄さんは母の手によって殺された。死んで当然の兄だ。あんな薄情者の男殺されて当然だ。殺して貰えた事に寧ろ感謝しやがれ。
どす黒い、菜樹禰の心の中の我が溜りが、爆発するように、兄が死んだ事が、彼女の中の、トリガーを引いたのだろう、もう悪魔の様になって、あの狂ヶ禰津の、人間の其れで、あった。此れ迄、密かに兄の事を憎んでいた事だろう。
僕だって其れは分かるんだ。
妹が僕を恨んでいないことくらいは、僕は世界を呪った。
だからそのオプションとして妹も呪われるのだ。世界の全てが私は受け入れられないのだから、この世界のありとあらゆる存在は私に何かしらの呪を受けていると言えるだろう。
しかし、其れはもう分からない。
兄さんは、母さんに殺されて死んだのだ。
私は兄さんの供養をして、母さんを恨んだ。父さんを憎んだ。
只、兄さんを苦しめたこの家族が許せなかった。
兄さんの望みを無視したこの家族を私は嫌った。
そう嫌ったのだ。生れてはじめて家族を憎んだ。
大好きだった家族がこんなに憎いのは初めてだ。
此れも一族に兄さんが殺されたからだろう。
家族を破壊しようとしているのは兄さんで、如何してそんな事をするのかは、なんとなくわかった。わかったけれど、私は、分かってしまう。確かにこの一族は憎らしい。だから分かってしまうのだ、彼が家族を恨み、壊そうとする理由もわかってしまうのである。
悪いのは、父さんだろう。
そんな、事は分かり切った事だ。
この家の悪が彼にある事位知っているのだ、私は女だからこのところに中々気が付けなかったが、私たちの親は相当なクズなのだ。幼い頃は其れが普通だと思っていたが、やはり人の親として危険な、危うい、駄目な部分が多くある事を私は知っていた。
あの、駄目な父親は、相当な外れだ。
そう彼奴は失敗作外れ。
あの親じゃ、きっと兄さんは助からない。
あの親から逃げないといけない。
金のない兄さんは逃げられないんだ、あのクズな男から。悲惨な兄さんだ。金さえあれば、もっと兄さんに力があれば、こんな一族からおさらばして、引っ越して、違う土地で暮らしているだろうに、此れも、兄さんの力のないのが、御金の無いのがいけないのである。
もし、この家が御金持ちだったら、何度も考えた事だ。
他所は他所、家は家。この言葉は大っ嫌いだ。
大金持ちの資産家に成れねえかな。
金持ちに成れば、自分のものが買える。
この家は駄目だ。
金持ちではない。小金持ちか、ちょっとした富裕層といった程度で、決して多くの贅沢が出来た家ではない。
其処迄の資産は無いのである。
この資産じゃあ、何時、底を着いてもおかしくねえ。
そう、かの家は金持ちではない、他より少しばかり裕福なだけ、だから、此奴らは僕にだって何も買っては呉れない。
貯金を崩したくないのだろう。
此れがこの家の現状だ。幾らかの貯金は在る癖に、私には何も買ってくれないのだ。
此れが、この一族の実態だ。
父に裁量が渡されたら御終いだ。
あの、馬鹿は、きっと金を粗使いして失くす。
碌に金を増やす方法も知らない只のサラリーマンが、汚らしく金を使うのは、下衆にしか見えない。
あの無能の、男は、きっと、破滅するだろう。
破滅しか考えられないくらいの物で或る。
滅亡。
お金は、自分で稼いで如何にかするしかない、家族を頼っていても、家族は御金をくれる事はない。
家族は金を呉れない。
家があるだけだ。
金をくれる事はない。
働くか何かして自分で稼げという事なんだろう。
財布から金を出すのは女だけだ。
自分に好意を持ってくれた女だけだ。
男は絶対に金をくれはしない、其れは父親だろうと何だろうと。
女に金を貰うのもなんだか、気が引けて、金を貰い損ねた。
女に、養われるのが、僕のプライドを傷つけるのだろう。
僕は、一文なしだ。
思うに、僅かの、御金だったら、家族だって、呉れる。
僕は、そんな額では足りないから、困っているといっていいだろう。
そう困っているのだ。
僅かな、金額。其れは十万以内とでもしようか、僕は百万前後が必要だ。
家族もその金額を聞くときっと協力はしてくれない。
渋い様子で、きっと貸し付けてくる。
僕は、御金を借りるのが嫌いだ。
百万を呉れなければ、意味が無いのだ。
いつかは返さなければいけない御金なんて、言うのは借りるものでは無い。
もの、盛ろうべきだ。借りる物ではない。
利子が付けられるかも知れないし、御金はやはり貰うもので在る。
そう、そのように考えても、僕は資金を必要としていて、稼ぐ必要があるのである。
どうにかせねばならぬ。
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