TRACK5 どさんこ娘と遊園地デート
「お兄さ~ん、こっちこっち~」//遠くから声がする
「や~、お兄さんが誕生日を祝ってくれるなんて思ってながったわ~、あんがとねぇ」
「しかも遊園地に一緒に行こうって誘われたときはびっくらこいたわ~」
「っていうか、お兄さんに誕生日教えたっけ?」//首を傾げる
「あ~、そっか、ゲームのプロフに書いたっけな、そういえば。細かいところに気がつくんだねぇ」
「それじゃ、腕を組んで、と。行きましょうか、お兄さん」
「え? なんで腕を組んだのかって?」
「遊園地といえばカップルごっこでしょ。え? そうでもない?」
「まあ、どうでもいいっしょ。そいじゃ、レッツゴー!」
「あ、私、今日誕生日で~す」//遊園地のスタッフに話しかける
「へへ、誕生日バッジもらっちゃった。これつけてればキグルミが寄ってきたり、アトラクションでも優遇してもらえるんだって」
「お兄さん、これを知ってて今回のデートでしょ? 目ざといね~」
「あ、早速キグルミが寄ってきた。お兄さんお兄さん、写真撮って~!」
「うーん、お兄さんも一緒に写らないと思い出に残らないなあ。自撮りするか~」
「お兄さん、もうちょい寄った寄った。はい、撮るよ~。3、2、1!」//SE:スマホのシャッター音
「えへへ、あんがとね、お兄さん。誕生日は一日しかないし、めいっぱい遊ぼうね!」
***
//ジェットコースターに乗る
「わあああぁぁぁぁぁああああ~~~~」
「ジェットコースター、これ、ヤバすぎ……わああぁぁぁぁぁあああ~~~」
「なんかふわっとする感じがクセになりますなぁぁぁあ~~~~」
「え? なんかのんきだなって? そうでもないよ、これでも結構わああぁぁぁぁぁあああ~~~~~」
「あ~、面白かった!」
「え? お化け屋敷? 絶対行かな~い!!」
//お化け屋敷のおどろおどろしい音
「うおあああああああああぁぁぁだから行かないって言ったじゃん!!」//走る音
「お兄さん、置いてかないで! お兄さん!?」
「うわぁぁぁぁぁ後ろからなんか来てるぅぅぅぅぅ!!」
「うわあああああぁぁぁぁんもうやだぁぁぁぁぁ帰るぅぅぅぅ!!」
***
「大丈夫、お兄さん……?」
「コーヒーカップで酔っちゃったんだよ、覚えてない?」
「今ね~、観覧車の中だから他の人にお兄さんのカッコ悪いとこ、見られてないよ。安心して」//頭を撫でる
「いや~、しかしいい景色だね。遊園地の中が一望できるんだわ」
「お兄さん、起き上がれる? もう少し女子大生の膝枕、堪能していけば?」
「あ、大丈夫? ああそう……」
「や~、今日はいっぱい叫んでリフレッシュしたわ~。誰かさんがお化け屋敷で置いてけぼりにしてくれたおかげでねぇ!」//めちゃくちゃ根に持っている
「いや? 別に怒ってませんよ? ええ、本当に」//ふくれっ面
「本当に反省してます? ホントかな~?」
「え、お詫びにレストランで奢ってくれるの? やっぴ~!」
「あ、見て見て、夕日が沈んでいくね」
「観覧車の頂上でキレイな景色見れるの最高じゃん」
「……ねえ、お兄さん」
「えいっ! ぎゅ~っ」//抱きつく
//耳元で喋る
「こらこら、暴れない暴れない」
「他に誰も見てないから、今のうちに、ね」
「いつもありがとうね、お兄さん」
「お兄さんのおかげで、私は毎日たのしいよ。お兄さんはどうかな?」
「……うん、そっかそっか~。なでなでしちゃお」//頭を撫でる
「お兄さん、私ね……」
「……っと、ここで時間切れかな。続きはあとでね。そろそろ観覧車が地上についちゃうから」
//離れる
「あ~、レストラン楽しみだな~!」
***
//レストランで食事をする
「んまっ! 遊園地でご飯食べてお酒飲んでって贅沢だね~」
「しかもライトアップパレードを見ながら食事とか、北海道にいた頃は想像もできなかったな~」
「北海道にも遊園地がないわけじゃないけどさ、やっぱ都市部まで行かないと難しいかな~」
「あとは村をまるごと買い取って開発したリゾート地とかもあるけどね」
「私のとこだと、冬にイルミネーション飾ってるおうちは多いかもね~」
「うちの牧場もイルミネーションやってるよ~。そのくらいしないとお客さんが映え狙いで来ないからねぇ」
「今日は遊園地、誘ってくれてあんがとね。お兄さんの誕生日、いつだっけ? 私もお兄さんのお誕生日お祝いしたいなあ」
「……え? 今日? 私と同じ日が誕生日?」//キョトン
「へぇ~、近くに住んでて誕生日も同じなんて、運命だねぇ~……じゃなくて!」
「えぇ~! なして言ってくれねぇのさ!? もう今日終わっちゃうよ!? 私にも祝わせてくれてもいいべや!?」
「私が楽しんでる姿を見るのが、一番の誕生日プレゼントぉ……? んもう、何寝ぼけたこと言ってるのさ!?」
「お兄さん、今から誕生日プレゼントを探すよ! ほら早く、立った立った!」//SE:ガタガタと席を立つ
「この遊園地のお土産屋さんで、欲しい物を今すぐ言って! 見つかるまで帰らないからね!」
「……えへへ。お兄さんと同じ誕生日かぁ……」//独り言
「な、何でもないよ! ほら、行くよ~!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます