TRACK3 どさんこ娘の看病

「お兄さん、大丈夫!?」//慌てた声色


「やいや~、お兄さんからヘルプの電話来たときはびっくりしたべさ~。まさか風邪引いちゃうなんて災難だねぇ」


「とりあえず薬と、ゼリーとか桃の缶詰とか買ってきたけど、食べれそう?」


「熱測った? やいや、40度!? そりゃゆるくねえわ、スマホで小説なんか書いてないでさっさと寝れや!」//無理やりベッドに寝かせる


「……だいぶ身体ダルそうだね。こんなにがおった顔して、可哀想に……。おかゆも作るから待っててけれな」


//遠くの台所からカチャカチャと料理する音が聞こえる


「……お待たせ。熱いからちょっと冷ますね」


「ふぅー、ふぅー……」//息を吹きかける


「はい、あーん。風邪っぴきのお兄さんでも味がするように、ちょっと味付け濃くしてみたけど、どうかな?」


「美味しい? そりゃいがったわ。ゼリーも食べたら、おくすり飲もうね」


「はい、あとは横になって安静に……」


「熱冷ましもあるから、額に貼っておくね」


「しゃっこいけど、我慢してね~」//額に熱冷ましを貼る


//額に触れて熱を測る


「やいや~、お兄さん、やっぱりすごい熱だわ。こりゃゆるくねえな」


「汗も拭かないとダメだわ。ちょっと服脱いで。恥ずかしがってる場合じゃねえべや!」


「……」//汗を拭く


「……ねえ、こんなこと言うのもアレなんだけどさ、私はお兄さんに頼ってもらって嬉しかったよ」


「今回の風邪とか、困ったときに真っ先に連絡してくれるのは私なんだなって」


「だから、お礼を言うのは私のほう。必要としてくれて、ありがとうね」


「……お兄さんの熱、なかなか下がらないね。氷枕でも持ってこようか?」


「え? 不安だから近くにいてほしい? ……本当に、めんこいお兄さんだこと」


「私はそばにいるからね。ほら、手も握ってあげるから。今日一日は何も考えず、ゆっくり休んでね」


「……おやすみ、お兄さん」//耳元で囁く


***


「おっ、お兄さん、目が覚めた? うん、だいぶ男前になったんじゃない?」


「冗談冗談。でも、寝る前よりは顔色がいいね」


「熱を測って……と」


//SE:体温計が鳴る音


「うん、平熱まで下がったね。あ、だからってまた小説書こうとか無茶しないでよ?」


「ネタをスマホに書き溜めるだけ? ホントかな~? ネタを書いてるうちに本文を書き始めたりしない? 大丈夫?」


「お兄さんのことは、私がきっちり見てないとダメかもね」


「……ねえ、私がそばにいるからね。また、頼ってね?」//囁くように

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