複数のヒロインを整理する、また告白したヒロインをいかに処理するか
ラブコメは娯楽であって、芸術ではない。
ラブコメは娯楽に徹してこそ芸術になる。故に、ヒロインは死ぬべきではない。
この世には、ヒロインが死ぬからこそ面白い恋愛作品もある。そういう作品は、読者とヒロインの心理的距離は遠い、客観視できる。
しかし、ラブコメは近い。ヒロインが死ぬと読み手はゆさぶられる。これはただ困惑しているのだ。
これを感動というのは、品がない。脳の錯覚である。
ラブコメの使命は、できるだけ多くの美少女の愛を、正当に受けることである。
ヒロインの数が少ないほどハーレムは安定するが、目的を忘れてはいけない。
美少女は多いほど良いが、少ないほど楽だ。ここに、ラブコメの基本がある。
この対立は、三つの方法で折り合いをつけることができる。
ひとつはヒロインを一人にすること。ふたつめはなんとなくの雰囲気で乗り切ること。そして、ヒロイン達と主人公の関係を整えて、主人公に上手い言い訳を与える方法である。
ラブコメについて語ることがあるとするなら、最後の方法にあると考える。
このタイプのラブコメヒロインは、核心をつく要素とそれを止める要素、この二つを明確に持つ必要がある。
例えば、ヒロインAは好意を自覚しているが、弱気である。ヒロインBは自信家だが、自分の好意に気付いていない。AはBが主人公と自然に接するのを見て、BはAの主人公への好意に気付いて互いに活性化し合う。ヒロインが活性化すると物語は進む、こう来ると書き手は弱気さを克服したり、好意に気付いたりするエピソードを書かなくてはなるまい。そうなると、セーフティは外され、ヒロインは、核心をつく、つまり告白やら、何かしら不可逆な行為をせざるを得ない。
物語を続けたいなら、ここで何かしらのミスをうむ必要がある。だが、一度やってしまえば、読み手は簡単には納得しない。
だからといって、告白しなくては宙ぶらりんである。新たなセーフティが必要となる。それをハッキリと示すべきだ。
一応、主人公が断るという方法もあるだろうが、思いは秘めておいた方がいい。一度ふられたヒロインが、主人公の近くにいると、力はどんどん衰える。勝ちヒロインのアドバイス役というのは、最も惨めではないか。
遠くにやって、見ているだけにさせると、まだ力は盛り返すかもしれない。ただそうすると、イベントは起きづらくなるだろう。
遠くにやる方法は、本編開始前に行うのが一般的であるように思う。
ヤンデレに繋げるコンボもある。見ていることしかできない悔しさは、ヤンデレの良い下地になる。
久しぶりにあった時の気まずさは、好きな人にはかなり良いものだろう。
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