角待ちは良くないと思う
俺は帰宅した後
「夏帆との距離感が大体掴めてきたな」
と独り言を言っていた。
元々あれだけあった距離がここまで戻ってきたんだ。
俺も夏帆とは距離を置いておきたいと思っていたが昔、いつも一緒に居たからか居心地が、
なんだかんだ言って良い。
だから俺も遠慮なく話しかけてしまうのだ。
「家どこにあるの〜?」
いや!客観的に見てキモすぎだろ!俺のあの発言!
いきなり、女子に家どこなの〜?と聞いたらドン引きされるだろ!
俺には言ってしばらくしてから、後悔するという事が多々ある。
(もう少し発言に注意しよう。夏帆に嫌われかねない)
だから今回の件で、もっと気をつけようと心に誓って寝た。
夏帆視点
「一緒に帰るの断られなくて良かった〜」
距離を近づけたいからといって、余りにも強引過ぎる理由で下校に誘ってしまった。
「あの時から変わって、変な人になったなって思われてないかな?」
「なんで家どこって聞いてきたんだろ?」
「変な風に思われてないと良いな..」
「明日も帰り誘おうかなぁ〜」
何故こんなに夏帆が司の事を気にするのか。
「ぜーったいに、司くん落としてやる!」
そう、夏帆は司の事が好きなのだ。
あの頃からすでに、司くんの事が好きだった。
なのに、いなくなってしまった。
最後「絶対にまた遊ぼうね!」と言って。
そして、訳もわからないまま引っ越しをさせられた。
悲しい話だが私は学校に友達がほぼ居なかったので、転校しても別に良かった。
中学になって高校を選ぶ時、司くんとまた会えるかもと思い、親から一人暮らしする許可を
もらい元々住んでいた所の高校を受験した。
いざ高校に入ると司くんは居いなかった。残念だったが絶対に諦めなかった。
そのタイミングで、司くんを見かけた。
制服を着ていたから直ぐにその制服を調べた。
すると、その制服が機陽高校のものであると分かり意地で転校してやると決意した。
だから、校長に適当な理由を付けて「転校したい」と直談判しにいった。
拒否されると思ったが何故かすんなり受け入れてくれた。
常陸北高校は生徒が多くて困っていたが、機陽高校は生徒が少なくて困っていたらしい。
そんな理由で転校できるかと思ったが、二人の校長パワーでどうにか出来たらしい。
幸い、学力も低い訳ではなかったのですんなり入れた。
どのクラスが良いか聞かれたので名簿を見せてもらい、司くんのいるクラスを選んだ。
そして今に至る訳だ。
「やっぱりぃ 頑張って良かったーーー!」
すごい報われた気持ちになった。
でも、彼は私の事に気づかなかった。
だから、ずっと見つめて気づかせようとした。
すると、彼は掃除の時間中話しかけてきてくれた。
しかも私を覚えているか聞いたら、覚えていた!
凄く嬉しかったが、その日から何故か距離が開いてしまった。
でも、私の間にあったことを今まで誤解してたらしかった。
直ぐに誤解を解いて、新しいスタートをする事ができた。
また付き合うチャンスが与えられたという事だ。
しかも、名前呼びまでして貰えた。
だから夏帆は今、幸せの最高峰にいたのだ。
故に、色々考えてしまう。
「あ!そういえば、私の家から司くんの家って近いんだよね?学校に行く道で待ってたら
一緒に登校出来るかも!」
そう、ストーカーじみたことも。
司視点
「あーーーよく寝た!」
さっさと朝ごはんを食べお茶碗を水につけてから家を出た。
家の近くの曲がり角で思わぬ人物と目が合った。
その人物とは夏帆だ。俺の頭の中は?で埋め尽くされいた。
すると夏帆が
「あ!おはよう!偶然だね?今日も一緒に行かない?」
言葉の出方が偶然に会った時のそれではなかった。
「お、おう」
「ダメ……?」
上目遣いで言ってきやがった。断れる訳ないだろこんなの!
「うん。良いよ。一緒に行こう」
「うん!行こ!」
うん。可愛いすぎて胸が熱くなった。
早く行かないと俺の心臓が持たないかもしれない。
そう思い歩みを進めた。
当たり前だが、色んな学生の注目を集めた。
当然、その中には夏帆と元々同じ高校だったやつもいるのだ。
夏帆は美少女だ。なのに転校したんだから未練がある奴がいるに決まっているのだ。
「やあ〜。夏帆ちゃんじゃない。なんでこんなとこいんの?」
他校生にに絡まれた。
俺は朝から面倒ごとに巻き込まれたと悟った。
後書き
投稿、また間が空いてしまいすいません
毎日投稿するとほざいていた作者ですが、テストの点数がヤバくて、補習をくらいそうなので投稿頻度が少し悪くなるかもしれません。
評価してくれると嬉しいです!
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