一緒にかえろっ♪

夏帆がこちらを向いて来た。


目が笑って無かったので一瞬恐怖を感じた。


でも、その笑っていない目は神田専用だったらしい。


もう一度見たら、普通に笑っていた。


ただ、今の教室の雰囲気にあまりにもミスマッチな笑顔なのだ。


神田は意気消沈していて、クラスメートは唖然としている。


何人かは、神田のことを慰めているような状況だ。


なのに、この状況を生み出した張本人が笑顔突っ立っていたらどうだろうか?


ふっつーうに怖いのだ。若干恐怖心を煽られる。


そんな事は梅雨知らず、夏帆は


「司くん。こんな奴相手にしないでね?何言っても無駄だから。


それと、すごいモヤモヤした気持ちになったから、今日一緒に帰ろう!」


「…………………」


と意味不明な事を言ってきた。


最初の2文は理解出来る。最後の1文は何だ?


接続詞の使い方間違ってないか?


モヤモヤした気持ちになった から?


何でそれが一緒に帰ろう!になるねん!


だからと言って断る訳ではない。


俺も夏帆とは仲良くしていきたいし、あんな美少女と帰れるんだぞ!


そんなの、断る理由なんかないじゃないか!


だからこう答えた。


「あ ああ。わかった。」


後先を考えずに



放課後


朝の雰囲気のまま1日が終わった。


ホームルーム後、静かな教室で夏帆が


「司くん!約束通り一緒に帰ろう♪」


「わ 分かった。帰ろうか」


周りからの視線が痛かったし、広大たち三人の生温かい目も辛かった。


帰り道


「夏帆さんは、趣味とかあるの?」


と聞いてみた。すると


「うーん。特にはないかな〜。あ!でも、パリスタっていうnewtuberよく見てる!」


う〜ん 誰かな?


「そうなんだ〜」


「…………………」


「…………………」


このように会話が全く続かない。


そして


「夏帆さんは、ゲームやったりするの?」


と、自分の趣味に関する話を振るしかなくなってしまう。


俺は、共通の話題が欲しかったので何かしらやっていてくれと願った。


「うん!やってるよ!KPECとかやってる!」


「そうなんだ!俺もやってるよ!」


良かったぁぁぁぁぁぁぁ。


共通の話題が奇跡的に見つかった。


「今度一緒にやらない?あとでフレンド申請しておくから」


「良いね!一緒にやろう!」


「あと、ライン繋ごう!」


「良いよ」


よっしゃ!ラインも貰えた。


「ねえ、これからさ、お互いの事は名前で呼ぼう?もちろん私の事は呼び捨てにしてね?」


急激な話題転換。しかも、えげつない提案をして来た。


一瞬、夏帆って俺のこと好きなんじゃね?という勘違いをしそうになった。


「わ 分かったよ」


「はい!じゃあ、今呼んでみて。前にも呼び捨てでいいって言ったのにいつの間にかさん付


けに戻ってるし」


Oh…


「何で固まってるの?早く呼んでよ」


「か、かほ」


「もっとスムーズに!」


「夏帆!」


「うぅぅぅぅ」


顔が少し赤くなった。


どこか顔赤くする要素あった?


「よっ、よろしい それでいいのだ」


なんか急に上から目線。


「そういえばさ。夏帆の家ってどこら辺にあるの?」


「え?機陽駅から歩いて20分くらいのところだよ?」


「俺の家と結構近いんだね」


「それを知ってどうするつもり?」


自分の体を抱きながら言ってきた。


「い、いや違う誤解だ!夏帆の家に凸ろうなんて思ってないから!」


「じょーだんだよ、じょーだん」


やっぱり、昔一緒に居たからか、自然と会話できる様になっていた。


「ねーさ 今日の数学難しくなかった?」


「そうだね〜俺もさっぱり分からなかった」


そんな他愛もない会話をしながら帰った。



その会話を盗み聞きしている1人、居るとも気づかずに。







あとがき


投稿遅れてほんとすいません🙏🙏


もう少し書く時間を取ろうと思います!


評価頂けると嬉しいです。



















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