怖いんだが…

謎に質問されまくって終わった1時間目の授業。


休み時間がはじまると、俺にとって恐れていた事が発生してしまったのだ!


「なあ、お前、夏帆さんとなに話してたの?」


「何で、俺らに話しかけてくれないのに、陰キャのお前が話しかけられるの?」


「何か昔に関わりとかあったん?」


そう、質問ラッシュだ。


しかも、俺の事をディスっている奴もいる様な有様だ。


助けを求めて、広大と他の親友2人を見たら


(しゃーない、頑張れ)


と、口パクで言ってきた。


(薄情者めが)


そう思い広大たちを見たが、アイツは俺そっちのけで話し始めてしまった様だ


質問どうしよう……


俺は途方に暮れて、


「俺は授業の話しかしてないし、昔に会った事もありません!」


を連呼していた。


すると、何処から戻ってきた夏帆さんが


「昔に会ったこともありません!」


の部分を聞いた瞬間、少し悲しそうな顔をした気がした。


しかし、そんな事を気にする暇もなく休み時間が終わっていった。


その後は、一切話しかけられずに一日が過ぎていった。


次の日、学校に登校して教室に入ると夏帆さんが俺の顔を凝視してきた。


(え?俺の顔なんか付いてる?)


不安になってきたので、荷物を置いて直ぐにトイレの鏡へとむかった。


が、そこに写っているのは一重の目つきの悪い目と、低いとも高いとも言えない位置に付い


た鼻、少し口角の下がった口の付いた顔だった。


じゃあ、何故俺の顔を凝視していたのだろうか?


たまたま、俺のことを見ている様に見えただけだろう。


そうか?


いや、きっとそうだ!


うん、それに違いない!


思い込みとは恐ろしいものである。


こんな風に直ぐ考えを変える事ができるのだ。


そして、教室に戻って直ぐ


「やっぱ、見られてるよな〜」


と考えを改めさせられるのであった。






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