真田幸村
前回の「神様」と前々回の「実朝さま」で、私は好きな芸能人について語った。よって、もういっそのこと、私がハマった人たちついて全部書いてしまおうと思う。と言っても、もう既に柿澤勇人さんと山下智久さんについては語ったので、今回語るべき人は一人しかいない。
学校の男子で良い子はいたが、あれが恋愛感情だったとはっきり言える自信はない。よってこれを初めてだとカウントするなら、私の初恋の人は、真田幸村だ。小学6年生の時、大河ドラマ「真田丸」で堺雅人さんが演じる真田信繁(真田幸村と同義)を観て、沼ったのである。
私が小学4年生の時に放送されていた「軍師官兵衛」を観たことをきっかけに、私は歴史に、特に戦国から安土桃山時代にハマった。信繁が生きた時代はちょうど私が好きな時代だったので、放送前から楽しみにしていた。堺さんは信繁を10代から演じていたのだが、最初、かわいいなという感想を抱き、今思えば初回の時点でかなり好印象だった。
はっきり恋心を自覚したのは、犬伏の別れが放送された時だ。真田家は関ヶ原の戦いの前、信繁の兄の信幸は徳川方に、父の昌幸と信繁は石田方につくことが決まり、親子、兄弟で敵対することになってしまった。そのことが決まった日の夜、信幸と二人きりで話していた信繁は、ボロボロ泣いてしまった。その時の涙が、たいそう純美だった。
思い返せば、前々回の「実朝さま」でも「苦い盃」での源実朝の純美な涙を観て恋に堕ちたと述べた。どうやら私は男性のピュアさゆえの涙に弱いらしい。
理由は忘れたが、なぜかこの頃の私はインターネットを使ってみたいと思っていた。しかし、残念ながら当時、両親はガラケー、私はキッズケータイを使っており、インターネットにアクセスできる機器はどデカいデスクトップパソコンしかなかった。でも、拙いながらもよく「真田丸」と検索し、信繁の画像を眺めていた。ちなみに、この時にパソコンの電源の入れ方やキーボードを多少学んだが、すぐに忘れてしまい、前回の「神様」で語ったように「コード・ブルー」を検索したいと思った時には、もうパソコンなど全くわからないものになっていた。
ネットではよく「真田丸」を検索していたが、不思議と「堺雅人」で検索しようとは思わなかった。そんな自分の行動を不思議に思っていたのだが、ある時、私は堺雅人さんではなく、堺雅人さんが演じている「真田丸」の中の信繁が好きなのだと気付いてしまった。この時にはかなり凹んだ。信繁はおよそ400年前の人物。しかも「堺さんが演じる」「『真田丸』の中の信繁」が好きなのだから、実在しない人に沼っているということである。
私は懸命に源次郎様を忘れようとした。「真田丸」の画像を漁るのをやめ、彼について考えそうになった時は必死にその思考を頭から消した。そうしてしばらくした頃に、私は「神様」に出逢った。それから先は、前回語った通りである。
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