第一章 夜会での日常②
そしてそのまますぐに王家への
存在感の強い真っ赤なドレスを身に
リリアンヌはふんわりとしたピンク基調の
キャサリンは青を基調とした、品のあるドレス。髪色は父親に似たプラチナブロンド。
私のドレスは
先に到着して待機していた父、兄と合流する。
「揃っているのか」
そう
「お父様ぁ。私は
「リリアンヌ、でしゃばらないで。婚約するのはこの私よ?」
王家
王家には二人の王子がいる。
第一王子は
第二王子も優秀な方らしいが、
二人とも成人しているが、婚約者はまだいない。だから姉達は第一王子と婚約して、自分こそが王子妃になるという欲を捨てきれずにいるのだ。
この件に関しては二人の姉だけでなく、キャサリンも関わってくる。ほぼ確実に、彼女もその席を
明らかにベアトリス、リリアンヌに比べて印象が良くなるからだ。
「……お父様、順番かと」
「わかった」
さすがの姉達も国王陛下の前では大人しくしており、時間をかけずに挨拶を済ませることができた。
しかし問題はここから。第一王子に向けて
私は毎回巻き込まれないように
避難を始めようと思案していると、既にベアトリスとリリアンヌはそれぞれ第一王子に
壁を背に二人の姉を観察すると、王子が
自分には
(
数年後の自立を
社交界に足を運ぶのは
(……
少し離れた場所に置かれた飲み物を見つけると、取りに行こうと動き出してすぐに足を止めた。
目の前にキャサリンが立っていたのだ。
キャサリンには対処法が存在する。といっても私独自の方法だけど。
それは、話にはしっかりと耳を
はっきり言って聞き流すのが一番だが、これはエルノーチェ家内での話だ。
非常に
失態をさらしたとなれば父にまで話が届く。そうなると
キャサリンの言葉に反応すれば、眠気がやってくることはまずない。悪態は内心に
「レティシア……」
深刻そうな表情で近づいてくるキャサリン。
周囲に聞こえるギリギリの声で話すのもキャサリンがよく使う手法だ。
「今度こそはって……思ったのだけれど」
悲しげな表情から感じるのは、また始まったというあきれのみ。
「今度こそは良いドレスを選べたと思ったの」
(
「数ヶ所のお店を見て回って、それでやっといいものを見つけたの……」
(それはご自分のドレスのことですよね)
キャサリンからドレスを
「レティシアに……似合うと思ったのだけれど」
(それはどのドレスのことだろう。フリルにフリル、もはやフリルでできた、へんてこりんなドレスかしら。それとも金銀を使って派手さを重要視したデザイン性
「……ごめんなさいね」
(まずは人に贈る前に、ご自分で着られたらいかがでしょうか。お姉様でしたら着こなせるでしょうから。きっとお似合いになられますよ)
キャサリンに同情するような視線と、私を
反論し、キャサリンの化けの皮を
その時
父と兄の時もそうだった。
幼い時以来、数年ぶりに会ったある日。開口一番に放たれた言葉は「
その気持ちは今でも変わらない。
話が
「……きゃあっ!!」
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