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  • 編集済

     ここまでの感想。
     タイトルや、作中に出てくるゲームがセガ製というあたりに、作者のこだわりを感じて好き。

     本文、一人称かと思ったら「自己紹介が遅れたな。」の一文。そこで二人称と理解したが……一読者としては、お芝居の始まり、独白を聴いていたつもりが、演者が急にこちらを振り向いて話しかけてきたような感覚であり、戸惑いを覚える。

     シーンとしては過去の回想であり、少年期の主人公が、恐らくヒロインであろう人物と出会い、一度別れるまでを描いている。
     シーソーのくだりは主人公の善良さと快活さ、ヒロインの寂しさや驚きが表されていて「良い出会いだなぁ」と和む。

     その後の一緒にゲームをするシーンや、別れのシーンも、要点をまとめた形といえばいいか。
     なるほどこうして物語が始まるんだなと、情報が整理されていて理解しやすい。スッキリしている。良い。

     ただ、スッキリしているが故に物足りなさを感じる。

     公園で出会い、遊んで仲良くなって、ゲームをして、別れを経験して……、この『遊んで仲良くなって』の部分が完全に端折られてしまっている為に、スタートとゴールだけを見せられているような感覚になる。過程が見えない。
    それ故に一読者の視点で言うと、「公園で知らない子と遊んで仲良くなって友達になってゲームして、その子が転校して別れた。切ない」という"情報"だけが頭に残り、彼らに感情移入して見守る事が難しい。シーソーから次のシーンでいきなりもう仲良しになっているわけだから、「そういう事があったんだね、そうなんだ」と、悪い意味で俯瞰してしまう。
     登場人物達の台詞が全体的にやや説明口調臭いのが、その俯瞰に拍車を掛けてしまう。残念なポイント。

    せめてシーソーからのやり取りに、もう少し友情の芽生えとして厚みが欲しい。
     あのシーンをこんな簡単に済ませてしまうなんて……勿体無い。

    作者からの返信

    お読みいただき、ありがとうございます。
    書き手が「さほど重要じゃないだろう」と思って書いた部分を重要に感じて読んで戴いているというのは参考になりました。