15. シュペア11歳になる
その後の2ヶ月のうちに僕は11歳になった。
「ふふふ〜」
「どうしたシュペア。」
「僕ね、11歳になったの。少し大人に近づいたから嬉しい。」
「そうか。それはおめでとう。」
「おめでとう。今日はお祝いだなー。」
僕が少し大人に近付いたこと、お祝いしてくれるんだ。嬉しい。こんなの初めて。
街に戻ると依頼達成の報告をして、いつもより少し豪華なお店に入った。
お肉をたくさん食べて、2人がおめでとうって言ってくれて、僕は嬉しかった。
そして、その後直ぐに念願の索敵を覚えることができた。まだそんなに遠くまで広げることはできないけど、寝る前とかに少しずつ練習してる。
最近僕は図書館で読んだ本で支援というのを覚えた。
ルシカとゲオーグに、僕が身体強化をかけてあげるんだ。あと、疲れた時の回復。
少しだけなら、ヒールも使えるようになった。
でも、ほんの少しだけ。僕がヒールをかけると、少しだけ痛みが減るみたい。治すまではできなかった。
僕は今、魔術師の戦い方ってのも勉強してるんだ。
魔術師は、戦士の支援をしながら、隙があれば攻撃魔術を撃つ。
それを練習してる。
ウォーターボールを顔に当てて隙を作ったり、石や氷の矢を作って相手を攻撃したりする。
最初は1本だけしか出せなかった矢も、最近では3本出せるようになった。
本当はもっとたくさん出したいけど、たくさん出すとターゲットが設定できなくて、ゲオーグやルシカに当ててしまいそうで怖くて出せない。
僕の前に誰もいない時なら出せると思う。
今度試してみたい。
そして、最近は火の魔術を練習してる。
前に領主様に、危ないからまだ使ったらダメって言われたことをルシカとゲオーグに話すと、森は燃えるものがたくさんあるから、上手く魔術が操作できないうちは火事になる危険があるからじゃないかって言われた。
そっか。確かに。
家や森で練習して火事になったら大変だもんね。
僕は、今は焚き火をつけるのを練習してる。指の先に小さな炎を作ることはできるけど、やっぱり少し怖くて、火を飛ばしてつけるのはまだ上手くできない。
護衛依頼は、お披露目会の1週間前に着く依頼があったから受けた。
商人の依頼で、この街レーマンからクンストまで行くんだって。馬車で行くって言ってた。
だったら2日で着くねって言ったら、何があるか分からないから4日前には出発するって言われた。
旅の準備はほとんどなかった。
討伐に行く時みたいに、怪我用のポーションと、魔力回復ポーションを持って、お鍋とカップとお皿と塩も持った。
旅用の硬いパンは一応買ってみた。
途中の街で宿に泊まるから、テントは要らないんだって。
そっか、旅をする時は街にたどり着けない時もあるから、その時はテントで寝るんだ。
それは楽しそう。僕もいつかテントで寝てみたい。
忘れ物は無い。僕が愛用している槍もちゃんと持った。
防具もつけた。
「シュペア、行くぞー」
「うん。今行く。」
村からこの街に来て、初めて馬車での旅だ。楽しみだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます