シュペア誕生日記念SS-1/2


「おはよう、ルシカ。今日はお休みだよね?

僕は図書館に行ってくるね。」


まだお布団の中にいるルシカにそう言って、僕は部屋のドアを開けた。


コンコン

「おはよう、ゲオーグ。」

「おう、開いてるぞ。」


ドアを開けると、ゲオーグはちゃんと着替えててお出かけするみたいだった。


「今日はお休みだよね?

僕、今から図書館に行ってくるね。」

「あぁ、俺も今から出るから途中まで一緒に行こう。朝飯は食べたのか?」


「ううん、まだ食べてないよ。」

「じゃあ一緒に屋台で食べよう。」


「うん。」


ルシカは休みの日はだいたい起きるのが遅い。

ゲオーグと一緒に宿を出て、レーマンの街を歩いていく。


僕は知らなかったんだけど、レーマンの街は冒険者に人気の街らしい。

近くに森があって、その森にはたくさん魔獣がいる。奥に行くほど強い魔獣が出るから、冒険者が多く集まるらしい。


だから、初めて依頼を受けて帰ってきた時、ギルドの中にたくさん人がいたんだ。


最初に来た街がレーマンで良かった。

ルシカとゲオーグに会えたから。




「シュペア、何食べる?」

「うーん、僕はサンドイッチがいいな。」


「じゃあそうしよう。」


屋台が集まっている場所にはサンドイッチのお店もたくさんある。毎日食べても飽きないくらいたくさん。

冒険者の人がお昼に食べる用に買っていくから、たくさんあるみたい。


「ゲオーグ、あのお店のサンドイッチ食べたことないかも。」

「どれだ?」


「赤い小さい旗がついてるお店。」

「じゃあそこにしよう。」


僕はジャガイモのサラダがサンドしてあるものを選んだ。

ゲオーグはお肉と野菜がサンドしてあるものを選んでた。


近くのベンチに並んで座って、僕たちはサンドイッチを食べた。


ゲオーグの髭はサンドイッチ食べる時に邪魔じゃないのかな?


「美味しいね。」

「あぁ。美味いな。」


「ゲオーグはこの後どこかに行くの?」

「まぁな。俺は買い物だな。

そろそろ重力操作の付与された鞄を買おうかと思ってな。

それと、手首につけるアームガードもそろそろ買い替えたい。」


「アームガードはプロテクターとは違うの?」

「あぁ、アームガードはプロテクターの下につけるんだ。

俺の武器は斧で重いだろ?それを長い時間振り回すと手首に負担がかかるから、手首に巻いて痛めないようにするんだ。

プロテクターみたいに攻撃を防ぐことはできない。」


「そうなんだ。そんなものがあるんだね。

僕は槍だから大丈夫かな。」

「そうだな。斧や、グレートソードみたいな大きな剣を持ってる奴しか使ってないと思う。」


「ゲオーグは物知りだね。」

「そんなことはない。シュペアもこれから色々学んでいけばいいんだ。」


「うん。じゃあ僕は図書館に行くね。」

「あぁ、気をつけてな。」


僕はゲオーグと別れて図書館に向かった。

1人で街を歩くときは、認識阻害の魔術をかけて歩く。攫われるといけないから。

ルシカとゲオーグとの約束。

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