『花火』
三月ひつじ
『花火』
アスファルト蟻引き寄せる香り在り 炎天に咲く果実の四散
胸弾むパーティーセット ギュッと手に、ビニールのぞきロケット確保
打ち上げる準備万端いざ発射 クラウチングとスタートの音
パラシュート 空中救助成功だ ガッツポーズの英雄帰還
発火するマグネシウムの煌めきは、シュウシュウいってどこか焦がした。
「たまやああ」意味を知らずに聞いた声。今も知らずに、その背を真似る。
肩車、少しだけ空近くなる。 届きそう。でも、届かない空
新月に(どおん、どおん)と鳴り響く 微かな明かり雨の遠雷
湿気らずに弾けてしまえこの火薬 燃えた証を暗さに残す
悪ガキが言いつけ破り人向ける 無知な蛮行 今戒めて
着慣れない浴衣の崩れ気になった 手を引くキミの指先は空
「もう少し一緒にいよう」肩寄せて2つ重ねた線香花火
土砂降りで中止になった隅田川 DJポリス不発をいなす
川の音かき消す雑踏の不満。 それでも咲くは真実の花。
不安げに煙を上げて吹き出せば 魅惑の舞台 七色変化
花よりも食い気が勝るわんぱくさ 夏の夜空に腹満たされる
連鎖するスターマインがフィナーレを飾る。(ドドドン) 消えない響
熱る顔 人混み酔って抜け出した 祭りの終わり さみしき家路
バケツにて火を沈めるはルールなり 人も習いて熱を鎮める
熱帯夜クーラー効かせ横たわる 布団に「
『花火』 三月ひつじ @03hitsuji
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