パセリ忌
@amagasaharegasa
パセリ忌
書見台
咳をしているうちに夜
素足に窓からの風
宵の風
墓前には
パセリの花を摘んで行く
晴れたなら何を干そうか
梅雨の星
近づいて去る翅のおと
窓の外
この家に風満ちるころ
フローリングに体を延べる
夏至の午後
“Sing”の訳は「鳴く」なのか
被膜の光
腋下よりアラーム鳴りて
目を覚ます(37.8℃)
白鷺のような夢を見ていたこと
仄白く
夕紫陽花のぽあんぽあん
泡と頭痛と
お湯に流して青タイル
バスタブに痛みを溶かし
身を沈む
フーガ! フーガ! フーガ!
逃げ去るという美
汚れたるティッシュ
しらじら積もりゆく
犬吠ゆ
悪鬼の顔して闇息
発熱の夜
怪談を聴いている
願い・祈り
昏い空へと投げ捨てよ
雨、降り 傘、差す
それだけのことです
なめくじは歩む
よあよあと月の夜
パセリ忌 @amagasaharegasa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます