赤い橋 4/4 

「何か憑いてたのか?」


「3人くらいね」


俺は誰かひとりがいて、そいつが見上げたり、笑い声をあげているんだと思ってた。

けれどもかずさんいわく、その読みは合っている。けれども、常に俺にぴったり寄り添っているのが一人、家についてきて玄関にずっといて、俺が外にでるときについてくるのが一人で、計3人だと教えてくれた。


「遊び半分で心霊スポットに行ったってなにもいいことなんかない」

かずさんはアイスコーヒーをストローですすりながら言った。

「よくそんなところに遊びに行く余裕あるな、お前…」


いや、心霊スポットに行ったわけでも、遊び半分で行ったわけでもなかった。けど、こういわれる心あたりは、あの赤橋付近に行ったことしかなかった。


初対面のかずさんにまで言うのは心が引けたが、正直に言った。


かずさんはあきれた顔を隠さなかった。


「遊び半分っていうのは、つまり弔ったり偲ぶ気持ちがないまま行くってことなんだよ。それがからかい目的であれ、煩悩まみれであれ、不純な気持ちの部分はそういうスポットではそのまま心の隙になるんだ」


「まぁ年頃だし仕方ないとは思うけど、これからはあんまりそういう場所に安易に近づかない方がいいかもね」



この日から、これまで書いたような現象はぴたりと収まった。と書くと、この話は締まるようだけど、実はもっとひどくなっていくことになる。


ここに書いていることは緻密なプロットや構成があるわけじゃない。ただ、自分の記憶と思い出を呼び覚まして書き殴っているに過ぎない。だから齟齬や矛盾が出てくる場合もあるだろうけど、そこは記憶力のご愛嬌ということで流してほしい。



玄季先輩とかずさんは、実は俺が進学を憧れていた大学の先輩だったりする。当時、高校生で「都会での一人暮らし」に憧れていたからだ。


やがて受験勉強が実り、福岡県のM浜近くにある某ミッション系大学に進学し、このかずさんとはいろんな経験をすることになる。


けれど、それはまた別のお話。時間があるときに思い出を振り返りながら、少しずつ書いていこうと思う。

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