第12話 疚しくないよ!
リメルのその視線を気にしていると、アークが口を挟んでくれた。
「リメル。そのくらいでやめてやれよ。ミスティさんも困ってるだろ? とりあえずは2人がそれでいいならそうすればいいと思うし、やっぱりちょっとと思うなら、ルールウの家に泊めて貰えばいいしな」
冷静に言うアーク。
俺とミスティは顔を見合わせながら頷き、一緒に住むことにした。
もちろん、
本当にないんだよ? 本当に……
──事故はあるかも知れないけど……
(それにしても、3千年前の人達ってどんだけすげーんだよ。人界から次元を越えるって……。それに、何でそんな力の恩恵を与えてくれた神天界と神人戦争を起こしたのか……)
そんな驚きと疑問を感じつつ、隣にいるミスティに神人戦争の詳しい話を知らないか聞いてみた。
「なぁ、ミスティ。ちょっと聞きたいんだけどさ、神人戦争のこと詳しく知ってる? 人界では人間から起こした愚かな戦い【愚戦】としか伝わってなくてさ。今考えても、神天界からの恩恵を受けてたお陰で魔者からの支配から逃れてたのに、何でわざわざ恩恵から外されるような事をしたのか意味が分からなくてさ。そのせいで、魔者優勢の世界ができて、俺たち人間は厳しい生活を送ってるわけで……」
「う〜ん……。私も詳しくは分からないんだよ。神天界でも、あまりその事に関しては触れられてないんだよ。私もまだ生まれて14年しか経ってないし……」
その言葉を聞いて、リメルが──14年って、ミスティちゃんは人間と同じなの? と疑問の声を上げた。ミスティはそれに答えて説明をしてくれた。
「えっと。神とか天使に連なる存在は、人と比べたら確かに年齢の重ね方には違いはあるんだけど、生まれてからの20から25年までは人と同じ年齢の重ね方をするの。その年齢を過ぎると、
その答えにリメルは「そんな風になってるんだねぇ〜」と言うとミスティに話の続きを促した。
「で、話は戻るけど、神人戦争は『人間達が奢った挙句、引き起こしたんだ!』としか聞いてないんだよ。私もその辺りは疑問に思うんだけど、神天界最高神のラフィサリウス様はこの事に関しては、何も言わないから分からないんだよ」
「じゃあ、当事者じゃないと分からないってわけなんだなぁ」
「そんな解決しない事を話しても仕方ないんだから、そろそろ家に帰ろ!」
聞きたい事は終わったとばかりに、会話をそう切り替えさせるリメルは「お腹すいた〜……」と言いながら、ルールウの手を引いた。
だが、ルールウはため息混じりにひと言だけ「はい……」と返事をすると、ハルアとミスティの方を複雑な目で見ていたが、そのまま引っ張られて行った。
それを見送ると、アークも「また明日な!」と言うと帰路についた。
「……じゃあ、俺達も帰ろうか……」
「……う、うん……」
なんかミスティに微妙に緊張感があるが、それは俺も一緒で、心の中では、──これから一緒に住むのかぁ。と考え緊張しながら、自宅へと歩みを進めた。
(どうしようーー!!)
俺は動揺しながら思った。
疚しい気持ちがないと言いつつも、少し期待している俺がいる……。
でも男ってそうだよね!!
ミスティはどう思ったるんだろ……?
何か考えている様だけど──
(だ、大丈夫! 大丈夫? もう裸見られてるし! 本当に大じょう……ぶ?)
────
──────……
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