狐の嫁入り

しいず

狐の嫁入り

 ――晴れているのに雨を降る事を狐の嫁入りって言うけどどこに嫁入りするのかな


小さい頃にそんな事を事を思ったけど、今時、狐の嫁入りなんて言わないよね。

私のおばあちゃんが言ってたのを聞いて、知ってたぐらいだし。

でも、かわいい狐っ娘が私の嫁入りに来てくれたらいいかも。

だって、毎日もふもふして、身の回りのお世話をしてくれるって最高じゃない。

もちろん語尾は「なのじゃ」で、ロリっ娘だけど疲れ切った時は甘えさてくれて

優しい言葉をかけてくれる、おばあちゃんみたな狐っ娘がうちにも来ないかな。


 そんな事を思いながら、珍しく会社から早く帰れたのに急な雨が降って来たので

稲荷神社で雨宿りをしていると雲がはれて晴れ間がでる。

ただ、雨はまだ降り続いているので天気雨…つまり、狐の嫁入りだ。


「狐も嫁入りするのに、わたしは嫁入りするどころか彼氏もいないしな」


そんな事をつぶやくが、そういえば稲荷神社なのにお参りをしてなかったので

ちゃんとお参りをしておかないとね。

わたしはお賽銭の100円を賽銭箱に入れてお参りをする。


「わたしに可愛い狐の娘が嫁入りしますように」


天気雨があったので冗談で狐っ娘がわたしに嫁いるするお願いしたけど

こんなお願い叶う訳がないよね。雨もやんみたいだから、そろそろ帰ろう。

わたしが帰ろうとすると、突然、社が光りだしたが…一体なんなの?

わたしが戸惑っていると


「その願い受け入れたのじゃー」


社の中から、巫女姿の女の子が出来てきたけど

尻尾があり、頭には狐の耳があってまさに狐っ娘だった。


「お稲荷さんだからって、狐って安直だよね…」


わたしがそう言うと


「まったく、最近はこんな物言いするのが多くて困るのじゃ!

むかしだったらお狐様って言ってひれ伏しのじゃ!」

「今時、神様の前でひれ伏す人はいないと思うよ」

「ええい、この前の小童…いや、志麻と言い、いちいちうるさいのじゃ」


小さい狐の女の子はやれやれとなるが、もしかしてこの子本当に神様なの?


「あ、あの…もしかして、本当に神様なの?」

「はっはっはつ、わらわは善孤のミヤコじゃ。最近、1人の小童を女子にしてやったわ」

「え、男の子をTSさせたって最近の神様もそう言うのが好きなんですね…」

「わらわは好き好んで、小童を女子にする趣味などないわい!

頼まれから、女子にしてやったのじゃ!

ところでその、てーえすとはなんなのじゃ?」

「性別を変えることをTSっていうよ」


 TSの意味はわかってなかったけど、最近の男の子ってやっぱり女の子になりたいんだな。

女の子になったら毎月必ず、大変な日にがやってくるから男の子のままの方が

いいと思うけど、わたしも男の子になりたいかっと言われたら女の子のままでいいかも。


「ところで、お主の名はなんというじゃ?」

「山本 実空27歳」

「山本実空か、お主がわらわらとつがいになる相手なのじゃな」

「え?」

「え?」



お互い頭に?が浮かぶが、つがいになるってことはミヤコちゃんが

わたしの所に嫁入りするって事なのか?

でも、ミヤコちゃんは神様だから……神様がお嫁さんになるって事なの!?


「えーと、つがいになるって事はミヤコちゃんがわたしの所に嫁入りするって事なのかな?」

「他に嫁入りする者がどこのおるのじゃ。もしかて、本当に狐のメスがいいのか?

さすがにそれはやめるのじゃ。エキノコックスは大変なのじゃ」

「駅のコックス?狐なのに駅に沢山コックがいるっ事?」

「おぬしは何を言っておる。エキノコックスは狐が持っている寄生虫で、人間の身体に入ったら

主に肝に寄生して、死に至るのじゃ。治療方法は切るしかないのじゃ」


え、狐ってそんな危ない寄生虫がいるなんて知らなかったかった。

そういえば、北海道に旅行に行った時ネットで調べてたら、キタキツネに

触っちゃいけないって見た気がするけど、これが理由だった事を思い出した。


「それじゃ……ミヤコちゃんも危ないんじゃ……」

「わらわは神と同じじゃから、そもそもつかんのじゃ。

それにこの土地にはおらぬから、付きようがないのじゃ」

「ならいいけど…神様って寄生虫に詳しいんだね」

「狐の世界では常識なのじゃ、あと正しくは神ではないのじゃ。

わらわはウカ様に使えてる眷属狐じゃ」

「お稲荷さんの狐って神様じゃないの?」

「良く勘違いするが、われわたち眷属狐はいわばお使い係なのじゃ。

もちろん、願いもかなえるのじゃ」

「えー、お使い係に願いを叶えるって怪しいな。あとから色々請求したりしない?」

「あー、なんで今の者は素直に願いを叶えて欲しいと言わんのじゃ!」


ミヤコちゃんはポカポカ叩いてくるが、全く痛くないしむしろがかわいいな。


「えーと、ミヤコちゃん……いえ、ミヤコ様、わたしの願いを叶えてください」

「まったく、最初から素直に言えばいいのじゃ。分身を出すから待つのじゃ」


そう言うと、ミヤコちゃんは何か呪文のようなものを唱えると、ミヤコちゃんの2人になった。


「はっはっはつ、わらわはムヤコじゃ。わらわがミヤコの代わりに実空に嫁入りすのじゃ」

「ムヤコって……マミムメモでミの次がムだからムヤコなの?」

「「勘のいい小娘は嫌いなのじゃ!」」


2人同時にポカポカ叩いてくるが、痛いどころかかわいいロリ狐つ娘と

戯れているみたいで、むしろニヤニヤしてくる。


「叩かれて喜ぶとは、美空はそんな趣味があるんじゃな…」

「そんな趣味は無いって。叩いてる2人の姿がかわいいからついニヤけちゃって」

「わらわがかわいいだと…」


ミヤコちゃんは急にはずかしがってるけど、かわいい言われた事ないのかな。


「ミヤコは普段可愛いといわれておらぬ。だから、言われると照れるのじゃ」

「て、照れてなどおらぬのじゃ」

「わらわはミヤコと違って、かわいいって言われたぐらいじゃ照れないのじゃ」

「分身だからわらわと同じなのじゃ」

「わらわはミヤコの大人の部分なのじゃ。いわば、ミヤコは子供の部分しかないのじゃ」

「なんじゃと!」

「そうやって、すぐ怒る所が子供なのじゃ」

「ぐぬぬ」


ミヤコちゃんとムヤコちゃんのやり取りは見てて楽しいな。

思わずまたニヤついちゃうけど、どうせなら2人ともお持ち帰りしたい。


「せっかくだから2人とも家に来て欲しいな」

「それは無理なのじゃ。わらわはこの社の管理者なので、離れられれぬ。

だから、ムヤコを出したのだ」

「そうなのじゃ。だから、わらわだけをお持ち帰りするのじゃ」


お持ち帰りって言葉知ってるんだな。


「それじゃ、お言葉に甘えて。それじゃ、行こうねムヤコちゃん」

「うむ、わかったのじゃ」


わたしとムヤコちゃんが帰ろうとするが


「ちょっと待つのじゃ!」


っとミヤコちゃんに止められた。


「まだ何か用があるの?」

「用も何も、まだ礼を受け取っておらぬのじゃ」

「え、何も例も請求しないんじゃ……」

「請求しないと言うのは、願いを叶えた事以外をしないという意味じゃ。

あれか、美空は願い事を叶えた相手に礼をしないというんじゃな?」

「そ、そう言う訳じゃないけど、お賽銭はちゃんといれたし……」

「あれはウカ様へのお賽銭じゃ。願いをかなえるのは別料金なのじゃ」

「なんか騙されてる気がするけど……」

「この前、女子にする願いを叶えた小童はちゃんと礼をしたのじゃ。

小童より大人の実空が礼をしないのはどうなのじゃ」

「わ、わかったけど、油揚げはもってないし」

「狐と言ったら油揚げはもう古いのじゃ!今の時代、ちゃんと金銭でお礼をするのじゃ。

あ、金物の丸い銭はだめなのじゃ。この前、それで安いく願いを叶えてしまったのじゃ」


金物の丸い銭って、コインの事かな?

確かに、100円で男の子を女子にするのは安すぎだよね。

でも、普段はキャッシュレスであまり現金を持ち歩かないから、財布の中を

確かめたけど千円札が3枚あったけど全部は出せないから千円でいいかな。


「わらわも少しは勉強したが、今でも紙の金がある事を知ったのじゃ。

だから、それをよこすのじゃ」

「わかったけど、手持ちがないからこれいいかな?」


私が千円札1枚をだすと、ミヤコちゃんは目の色が変わる。


「せ、千円だと……なんという大金なのじゃ。やはり、小童と違って大人の女子は違うのじゃ」


1000円が大金って、ミヤコちゃんっていつの時代の狐なんだろう。

ただ、隣でムヤコちゃんが呆れているけど。


「まったく、あれだけ勉強したのに未だに明治時代の金銭感覚なのじゃ」


明治時代の金銭感覚と言われてもよくわからないけど、明治時代の1000円をマホで調べてみると大体38万円なので結構な金額かな。


「なんか、騙したみたいで悪いかも……」


わたしが気にしていると、ミヤコちゃんが光るけどなんだろう。


「ミヤコちゃんが光ったけど、何が起こってるの?」

「大丈夫なのじゃ、ウカ様も認めてくれたのじゃじゃ。

つまり、美空は正しいと神様が認めたのじゃ」

「神様が認めたなら大丈夫か」


わたしはほっとする。


「それではわらわは、もう寝るのじゃ。美空はムヤコと好きなだけ乳繰り合うのあうのじゃ」


ミヤコちゃんがそう言って、社にもどると社の光が消えて元に戻った。


「それじゃ、帰ろうか。とろこで、乳繰り合うってどういう意味?」

「なんじゃ、知らんのか。男女が肌と肌をくっつけ合うという意味なのじゃ」

「えっとそれって……」

「多分、想像してる事であっておるのじゃ」


わたしが顔を赤くしたのでムヤコちゃんもわかった。


「わ、わたしはそんな事しなくてもいいから。一緒に暮らして、たまにモフモフさせてくれればいいだけから」

「わらわも望まない限り、そんな事をせぬのじゃ」

「ならよかったけど、望めばするの?」

「わらわは大人なのじゃ。望めば夜伽ぐらいするのじゃ」

「夜伽って事は…」

「いうなら交尾と言った所なのじゃ」

「こ、交尾!?」


わたしはさらに真っ赤くなるけど、わたしはこの年まで男の人とも女の人とも

付き合った事ないから、未だに経験がない。

もちろん、興味はあるけど見ての通り、その手の話をするとすぐ顔が真っ赤になってしまう。


「なんじゃ、大人の割にこの手の話が無理とは、お子様なのじゃ」

「うー、もちろん知識として知っているけど、経験してないから想像するだけではずかしくて……」

「そうか、すまなかったのじゃ」

「謝らなくていいよ。わたしが奥手すぎるだけだから」

「いや、よくよく考えたら眷属が人を馬鹿にするのは良くないのじゃ。

それに、わらわは美空の所に嫁入りしたのだから、嫁として主を大切にするのじゃ」

「そういえば、嫁って言うけど、本当に嫁入りするの?」

「あくまでも恰好だけなのじゃ。美空が帰って良いと言ったら、帰るだけなのじゃ」

「そうなんだ。こんなわたしだけど、お嫁さんになってくれてありがとね」

「急にかしこまれると、照れるのじゃ。炊事はまったくできぬがよろしくなのじゃ」

「うん、よろしくて……って料理は全くできなの!?」


わたしはムヤコちゃんは家事や料理が出来ると思ったけど、考えてみたら

家事や料理をするをする必要はないよね。

小さい頃読んだ昔話だと、なんでもできるのイメージがあったけど、違ったんだ。


「わたわたち眷属狐は炊事をする必要がないので、できないのじゃ。

じゃが、教えてもらえばすぐにすぐにできるのじゃ。

だから心配しなくて良いのじゃ」

「わかった。部屋に帰ったら、教えあげる」

「お願いするのじゃ」

「ところで、その恰好で部屋までくる?」


ムヤコちゃんは巫女の格好に狐の耳と尻尾があってかなり目立つ。

流石にこの格好で一緒に街を歩くのはちょっと恥ずかしい。


「何が問題なのか、わからないのじゃ」

「狐の耳と尻尾がある巫女姿のロリっ子が街を歩いてたら目立つよ」

「わららは気にしないから、平気なのじゃ」

「わたしが気にするの。せめて、尻尾と耳を見え無くして欲しいな」

「わかったのじゃ。わらわの魅力である耳と尻尾を隠すの寂しいが仕方がないのじゃ」


ムヤコちゃんは何か呪文を唱えると、耳と尻尾がなくなったけど

耳と尻尾がなくて十分かわいいな。


「耳と尻尾がなくて十分かわいいよ」


わたしは思わず抱きしめてしまった。


「く、苦しいから離すのじゃ」

「ご、ごめん」

「まったく、油断ができぬのじゃ。暗くなってきたから早く帰るのじゃ」

「そうだね」


こうして、わたしはミヤコちゃんと部屋に帰ったんだけど……。


「なんなのじゃ、この部屋は。わらわだって身の回りはちゃんとしてるのじゃ」

「ご、ごめん。わたし、元々片付けが苦手で……」

「さっきの口ぶりだと、家事も炊事もできる出来るようじゃったが、これは酷いのじゃ」


ミヤコちゃんが呆れるが、わたしの部屋はいわゆる汚部屋で

元々片付けが苦手なのに、さらに仕事で疲れてさらに悪化した。

ベッドは寝る場所を核をするため、散らかさないように死守している。


「こんなに汚いと、わらわの霊力も下がるのじゃ。良い運を呼び込むにはまずは部屋の掃除なのじゃ」

「今からするの?」

「当たり前なのじゃ。炊事は出来ぬが、片づけや掃除は得意なのじゃ」

「そ、それじゃお願い」

「もちろん、美空もするのじゃ!」

「そ、そうだね」


わたしはムヤコちゃんと掃除をするけど、床には脱いだ服と下着、ごみがが散乱。

テーブルの上は化粧品やアクセサリーがつまれていて

台所は食べ終わったお弁当などのごみも重ねてありムヤコちゃんもため息が出る。


「まったく、女子と思えないのじゃ」

「今時、女の子だから家事や料理ができとは限らないし……」

「美空の場合、女子じゃなくても酷いのじゃ」

「た、確かに……」


そういいながら、順番に片付けづけていくか、よく見るとムヤコちゃんは

ちゃんとごみの分別としている。


「ちゃんとごみの分別をしているんだね」

「掃除の前に、捨て方を書いてある張り紙ををちゃんと読んだのじゃ」

「そういえば、さっき読んでたね。1回読んだだけでわかるの?」

「わらわはミヤコの大人の部分であると同時に、知識の部分でもあるのじゃ。

それに、元々眷属狐は神の使いなので、記憶力がよくて勉強は得意なのじゃ」

「そうなんだ」


知識が古い感じだったから心配したけど、勉強すればすぐ覚えるみたい。

料理はわたしもできないけど、もしかしたら勉強すれば作れるようになるのかな。

今度、ネットでレシピを見せて何か作ってもらおうかな。

でも、その前に炊飯器とかの使い方を教えてあげればいいかな。

わたしはそんな事を考えながら、2人で掃除をしたけ綺麗になるまで

2時間もかかってしまった。


「どうじゃ、綺麗になったのじゃ」

「床が見えるなんて久しぶり、ムヤコちゃんありがとう」

「はっはっはっ、わらわは優秀な嫁なのじゃ。これぐらい朝飯前なのじゃ」


ミヤコちゃんみたく高笑いをするけど、ムヤコちゃんのお陰で綺麗になったからね。


「それじゃ、お風呂の支度をするから一緒に入ろうか」

「わかったのじゃ。で、風呂はどうやって湯を沸かすのじゃ?」

「教えてあげるね」


お風呂もさっき一緒に掃除をしてかなり綺麗になった。

何時もはシャワーだけど、今日はお湯をためてムヤコちゃんと一緒にはいるんだ。


「えーと、ここを押すと文字がでるけど、さらにここ押すと数字がでるけどこれが温度。

こことここを押すと温度を上げたり、下げたりできるけど

今はそろそろ梅雨明けの時期だから40度ぐらいでいいかな」

「うむうむ」

「そして、ここを押すとお湯が自動に入って、指定した量と温度になったら

自動で止まってお風呂に入れるよ」

「昔と比べたらかなり便利なのじゃ」

「でしょ。お湯が貯まるまで少しかかるから、お弁当を買いに行って来ようね」

「わらわは別に食べなくても平気なのじゃ」

「全く食べれないの?」

「全くではないのじゃ。お供えされたものを食べる事はあるが、人間の様に

毎日食べる必要はないのじゃ」

「そうなんだ、でも、わたしが食べるものがないからお弁当を買いに行こうね」

「わかったのじゃ」


ムヤコちゃんと近くのコンビニ行くが、コンビニに入るなりムヤコちゃんは驚く。


「なんなのじゃ、この万屋は……」

「コンビニで、色々売ってるよ」

「た、確かに、色々あるのじゃ」

「1つ好きな物を買ってもいいよ。ただ、高い物は駄目だよ」

「わかったのじゃ。それじゃ、これにするのじゃ」


ムヤコちゃんはお酒の冷蔵庫から、日本酒を出してきたけど意外と渋い。


「やっぱり、酒がいちばんなのじゃ。時々、洋酒や麦酒を供える者のおるが

やはり、清酒がいちばんなのじゃ」


やっぱり、神様のは日本酒がいいんだ。


「食べるものはいらないの?」

「わらわは酒があればいいのじゃ。美空の分をちょっとだけ貰えればいいのじゃ」

「わかった」


なんか、のんべえみたい事を言ってるけど、ムヤコちゃんが良いなら構わないけど。

わたしはお弁当とスイーツとカフェインがないお茶を買って部屋へ戻った。


「この酒は冷たいが、常に冷たくするものを作るとは人間はやりおるのじゃ」

「お供え物って温めたり冷やしたりできないけど、気にしないの?」

「わらわたちが頂く時は、ちょうどい具合になっておるのじゃ」

「そうなんだ」


ちょうどいい具合になってるなんて、神様は便利だな。


 部屋に戻ると、お風呂が貯まったのでお酒は冷蔵庫に入れて

ムヤコちゃんとお風呂に入る。


「そういえば、耳と尻尾を戻すのを忘れておったのじゃ」


ムヤコちゃんが耳と尻尾を戻し、着ているものその場で脱ぐ。


「ムヤコちゃんも脱いだものをちゃんとしないと」

「言われなくてもいまからするのじゃ。ところで、美空は服の下にさらに

布を付けておるがそれはなんじゃ」

「下着だよってもしかして、下着ってないの?」

「そんなものはないのじゃ」

「ということは、ノーブラ、ノーパンなの?」

「そのノーブラやノーパンって言うのは着けておらぬのじゃ」

「正確には胸に着けてるのはブラジャーで、穿いてるのはパンツね」


昔は下着が無かったからムヤコちゃんもつけてないのね。

でも、胸はぺったんこだからまだいいとして、下はどうなんだろう……。

和装はだから、普通は見える事ないとは思うけどそれでもパンツは穿いた方かも。

でも、どちらかというと、耳と尻尾の方が目立つか。


「着けておらぬと駄目のなのじゃ?」

「ブラは駄目じゃないけど、下は穿いた方がいいかも」

「美空がいうならわかったのじゃ。今の女子は下着というものを着けるのじゃな。

覚えたのじゃ」


ムヤコちゃんは下着は今度の休みに買いに行こう。


お風呂に入り、ムヤコちゃんの髪と身体を洗うけど


「んー、気持ちがいいのじゃ。それに、これは泡が立ってい匂うがして好きなのじゃ」


っとシャンプーとボディーソープの香りが気に入った。

狭い浴槽だけど、ムヤコちゃんなら2人で入っても問題なかった。

ただ、ミヤコちゃんはお風呂は好きらしく、わたしよりも長風呂だった。


「では、いただきます」

「いただくのじゃ」


お風呂をでて、お弁当を食べるけムヤコちゃんは日本酒を飲むけど

グラス半分ほどの量を1杯飲んだら酔って寝てしまった。

お酒が好きっていうから、お酒に強いかと思ったらそうでもなかった。

わたしはお酒はあまり飲まないから、あまり強くはないけどここまで

弱くはないは無いから相当弱いだな。

でも、それがなんかかわいい。


 わたしはご飯を食べて、少しゆっくりしてそろそろ眠りにつく。

眠っているムヤコちゃんの見ると、ニヤニヤしちゃうけど

このまま寝かしておく訳にいかない。

多分、風邪は引かないけど、わたしのかわいいお嫁さんだからちゃんと

一緒にお布団でねないとね。

わたしはムヤコちゃんを抱きかかえてみるけど、力が弱いわたしでも

抱えられるぐらい軽かったけど、ベッドに楽に運べた。


他に布団が無いので、同じベッドで眠りについたけど


「うーん、わらわは美空のお嫁さんだから……なんでもするのじゃ……」


っとムヤコちゃんは寝言をいうけど……どんな夢を見ているのかな……。


「おやすみ、ムヤコちゃん。これからもよろしくね」


こうして、狐の嫁入りがあった日に私の所へかわいい狐っ娘が嫁入りしてきた。

子供の頃、どこに嫁入りするのか気なってきたけど、今回はうちにやって来た。

性格としゃべり方はちょっとあれあれだけど、こんなかわいいお嫁だんが来てくれ良かったな。


ただ問題は……

ムヤコちゃんの寝言はこの後一晩中続いたのだった。

私はその寝言で結局いつもよりも眠る事ができなかったけど

もしかして、寝言は毎晩じゃないよね?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

狐の嫁入り しいず @shiizuu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ