第56話 スナイパー葉子

 7.62mm口径セミオートスナイパーライフルにサプレッサー音の抑制器を付けた、集弾性の高い狙撃銃を使うわよ。


 サプレッサー音の抑制器付きだから、私の位置をすぐに捕捉は出来ないわよね?万が一撃ち損じても、そこからリカバリーするわ。


 きっとこれも私のイメージに融通が効けば、どうにでもなるんでしょうけど、私の武器(銃)のイメージが、直近で1番強く残っているバイオ◯ザードかM◯SⅤなんだもの……しょうが無い。


 それにM◯SⅤが無ければ、サプレッサー自体が無くなってしまう。


 でも、この密林の様なエリアなら、何かの時には『影潜り』も可能だしね。


 あ…そう言えば、大赤ウシの部屋は影を作る物が無かったのよね…。自分か相手の影しか無く、ボスとの戦闘時は『影潜り』が使えないと思っていた方が良さそうだわ。


 さあ、先ずはあの原色鮮やかな鳥を狙い撃つわよ。



赤インコ


レベル 56


体力 529/529

魔力 212/212


魔術 逃避 呼寄 鳥弾



 仕損じたら面倒な予感が、ビシバシして来るの!


 『呼寄』とか、仲間を呼ぶのよね?リアルヒッ◯コックの鳥は避けたいわ…。しかも赤インコとか群れて来られたら、恐怖寄りの、ホラー映画よ!


 それと、『逃避』で逃げられるのって地味に効くのよね。


 最後の『鳥弾』もよ…。カミカゼして来系なの?


「そうは言っても、やらない訳にはいかないのよね…。狙うのはヘッドショット!」


 それで倒せないなら、私の知っている高火力な武器って、あとは大口径12.7mmのアンチマテリアルライフルと多弾誘導ミサイルくらい……。


 でも、さすがにそれは違うと思う。


 だから、このライフルで決めるわ!狙い澄まして。

 …今よ!もう一撃!


「………。よし!魔石に変わったわ!でも、やっぱり2発は必要ね。ズルいわよ〜魔物って体力多いんだもの!」

「……いや、お前の攻撃の方が余っ程ズルくね?」

「そんな事……無いと思うわよ?……多分。」

「……まあいい。一体づつ確実に倒せよ?間違ってもハチの時みたいに、魔物に群がらせる様な真似はすんじゃねぇぞ?!」

「は〜い。」


 そこからは索敵に入って来た魔物から仕留めて進み、入口から徐々に行動範囲を広げて行った。


「……インコの赤い羽根がたくさん。カーニバルか歳末の募金でしか使用用途が思いつかないわ。」

「お前の頭にでも差しとけ。」


 …バンディエルめ。適当な事を言うんだから!


 あとはカメレオンが出て来て、倒すと魔石と皮を落として行った。ウシの皮もあるし、皮が一杯だわ。


「ん?いきなり索敵に入って来た!足の早い魔物だわ!……え?……まさか私に向かって来て……る!『影潜り』!」

「…………………?……グルルルッ………………。」


 ………嘘、ヒョウだわ。


 ヒョウって夜行性のはずよね?!私が知らぬ間に縄張りに入ったのかしら…?


 これ…『影潜り』中に攻撃出来るのかしら?……ダメだわ…武器が出て来ない。


 なら、手だけ出したら?……行ける!




森ヒョウ


レベル 58


体力 581/581

魔力 253/253


魔術 追跡 噛み砕き 俊足 高位索敵



 強いじゃない!!しかも『高位索敵』って何よ?!

 どうしよう……『追跡』もあるから、絶対に追って来られるわ。


 小回りが効いて殺傷力があるのって……マグナム!

 この際、音がどうとか言ってられないわ!


 距離は少なくとも5mは離れたい…でも、離れ過ぎれば外す可能性が上がる。……外せない。なら、3mから一撃必殺を狙うわ!


 私を探してキョロキョロしてる…。ここから出してすぐに撃つ!


 防御!マグナム構え!行けー!!

 当たった!でもまだ!追撃を食らいなさい!


「……やった…。倒せた……。」

「ボケッとすんな!早くここを離れろ!」


 バンディエルに言われて、盛大に音を出した事を思い出し、慌てて魔石と毛皮を仕舞い『影潜り』を再度発動させて、その場から離れた。


 これ………一層目の比じゃないんだけど?



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