第20話 出し入れ自由?
「おい!お前!!何で、もっと早く俺の名を呼ばないんだ?!草ばっかり調べてないで、気づいた時点ですぐに呼べよ!グズ!!ノロマ!!役立たず!!」
「……………………………………。」
どうしよう……何一つ解決してないのに、新たな問題が起きたわ。
それにこの子なに?いきなり出て来て、私を罵ってるんだけど…。
「聞こえてねぇのか?何とか言えよ!クソババア!」
「……初対面の年上の女性に向かって言う言葉じゃないわね。それに、私はあなたを呼んだ覚えは無いわ。何処へなりと消えなさい!」
なんて失礼な子供なの?!
私は、あなたにババア呼ばわりされる覚えは無い!!
「あ!!待てっ…!」
変な子供はそれだけ言って、フッと姿を消した。
本当に何なのよ!!
「どう言う事?!悪口を言うだけ言って消えた!!」
私が消えろって言ったからなの?!
え……じゃあ、出て来たのって………………。
「バンディエル……。」
「…おい!!!出て来たばっかなのに戻すなよ!!」
「……口の利き方が悪い!!消えろ!!」
「ああっ!!!!」
…………消えたわね。
出す時は『バンディエル』、消す時はそのままのワードを言うだけ……分かったわ、出し入れの方法は。
だけど、アレは何?
会話が成立するけど、話す気になれなかったから消しちゃった。
聞けば答えるかしら……?
でも、あの調子で話されたら私が保たないわ。
本当に何とかならないのかしら…?
「バンディエル。」
「おい!!話を聞け!!」
「話を聞くには条件があります。出来ないのであれば、二度と呼びません。分かりましたか?」
「ふざけんな!!何で俺がお前の言う事を聞かなきゃならねぇんだ?!」
「なら、あなたからこれ以上聞く話はありませんね。さようなら。消え「待てぇぇぇ!!!」………。」
一々うるさいわね……。
訳の分からない子供に付き合ってられない。
魔力切れのせいか、もう疲れたから休みたいわ…。
「何を待てと言うの?お互い条件が見合わないんだから、これで終了にした方がいいんじゃないかしら?」
「だから、そう性急に話を切るな!!」
「……私、あなたとは初対面よね?それなのに行き成りの罵詈雑言。あなたも、グズでノロマで役立たずの人間に用は無いでしょう?私もあなたの様な荒い話し方の人は、仕事でお給料でも頂かないと、付き合い切れないの。それじゃあ、今度こそさようなら。消えろ!」
「だぁぁぁっっ!!!」
去り際まで騒がしい…。
聞きたい事があっても、今日は特に無理だわ。
魔力切れって、後遺症の様になる事もあるのかしら…?
とにかく身体が重い……。
残業付きの20連勤をした時以来のダル重さ。
ご褒美の甘い物も手に入らなかったし、変な子供は出るし……。
今日はもう寝よう。
気が向いたらまた呼んでみよう…かな……。
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