第19話 鹿肉ステーキとバンディエル

………私、ゲームみたいな世界にいるのかしら?

少なくとも、普通の世界でレベルなんてあり得ない。

あ……。それを言ったら魔術もか……。


う〜〜〜〜ん……。ますます、自分の置かれた状況が、分からなくなって来たわね。


夕飯の鹿肉ステーキを焼きながら、取りとめなく考えを巡らした。


そう言えば、フライパン代わりに使ってるこの石。

拾い物だけど、とっても良いわ。

それに自作だけど、石焼きステーキなんて初めて!


魔術で研磨した焼き物用の石の板は、熱にも強く亀裂が入る事もない。

ネックは、持ち運ぶのがとても重いこと。


ポーターでも雇いたいわ。人もお金もないけど……。

それかドラちゃん収納が出来れば、今の1番大きな悩みが解決するのに。


いい感じに焼き色の付いた鹿肉ステーキをそのまま、石の上でカットして一口大にする。


何だっけ………アレよ、アレ!!

………………………、………そう!メイラード反応!

要は、美味しそうに焼けましたってこと!!


それに今回は、事前に採取した野菜?があります!

一つは、ほぼ牛蒡。調べる君に聞いても相変わらずの返事だったけどね…。


『草の根 名前は無い 食っても害は無いが、本当に食う気か?』


牛蒡って、外国人受けが悪い野菜だから、調べる君も外国人だとでも思えば良いわね。

勿論!私は好きだから食べますよ!


それと、ほぼウド。これに付いても調べた評価は悪かったけど、食べられる野菜だもの。頂きます!

  

甘い物探索は失敗に終わったから、せめて夕食はしっかり摂りたい。


その後でゆっくり検証しよう。

8レベルって何をして上がったのか…。

属魔って何なのか…。

ここが何処なのか…。


とにかく、分らない事だらけなんだから、一つ一つ確認するしかないわね。


……あ!!鹿肉ステーキ美味しっ!!!



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ふぅ…。お腹いっぱい。ちょっと食べ過ぎたかしら…。」


サッパリした赤身肉のヒレっぽい部位のステーキだったから、つい2枚も食べてしまった…。


牛蒡もウドも美味しかったし。

肉ばっかりで、便秘にでもなったら嫌だな〜と、思ったけど今の所、問題無いね。


「寝床の用意もしたし、火を消して引き籠もろう。人が来たら嫌だし。」


街道に近い分、警戒する事も増える。

本当は獣避けに灯りは絶やしたくない。

けど、人からしたら灯りは目印になってしまう。

余計な好奇心を持たれても困るから、火は消すしかなかった。


それと、昨夜の犬?狼?の夜襲対策で、寝床の棺を二重にした。


そして、消費魔力の確認。

いつものシングルベッドサイスだと、魔力が5減った。


調べるを使うと1減る。

飲み水を出すのも1。


127ある私の魔力が、あんなに減ったのは、明らかに5人組に襲われて魔力が消費されたのが大きいだろう。


あのとき、自分を守る壁を両サイドに2つ、攻撃する魔術を5人分使った。


まだ、攻撃魔術で消費される魔力量を確認してないけど、もし20位必要だったとしたら、ご利用を計画的にしないと、簡単に行動不能になってしまう。


明日の朝イチで、攻撃魔術に使われる魔力量を確認しよう。


続けて、属魔。

もう、本当に意味が分らない。

漢字の通りであれば、私に属してる魔って事よね?


何を勝手に属してるのかしら?!

少なくとも本人の了承ぐらい取ってよ!!


「……バンディエルって何かしら?」


私がそう独り言を口にすると、目の前がパッと一瞬輝き、足元に変な格好をした子供が現れた。


「はいっ??!!」





〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~







葉子さんのイメージは、エド・は○みさん。


コォッーーーーとか、その内言わせたいです。


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