第18話 何かの欠乏と自分調べ

 魔術の新機能に浮かれて色々と調べまくっていたら、具合が悪くなって来ちゃった…。

何…?この貧血みたいな症状は………?


「うぅ〜。グルグル目が回る……気持ち悪いよぅぅぅ…。」


立っていられず、その場にうずくまった。

血の気が引いて指先も冷たい。

これは……もしや魔術の使い過ぎ?


「むぅ…。もう……。バカ…。」


セルフ叱責。

でも、どのくらい使えるかが分らないんだもん…。

だけど、外にいる時にこれはマズイわ。


回復するまでジッとしてるしかないか…。

座って膝を抱え、頭を乗せる。

はぁ………ちょっとだけ、楽かも………。


『調べる』魔術を知ってから、色々な植物を調べた。

お陰で、食用出来る葉っぱが増えた。

それに『調べる』の返答も面白くて、止められなかったのよね。


私がバジルと思って食べてた葉っぱを調べたら……

『草 特に名前は無い 食えるが、食うヤツの気がしれない』

 

何気に失礼なのよ。

個人の感想みたいな表現をはさんで来るし…。


「はぁ…。調子に乗った。本当に気を付けないと。こんな時に襲われたら、ひとたまりも無いじゃない。」


幸い、今は近くに誰もいないし、動物もいないから助かったけどさぁ。

でも、何とかならないかしら…?


自分の上限と一回の魔術の消費量が分らないと、難しい。

………あ!自分って調べられるの?

調子が戻ったら試そう!


「ふ〜〜。少し落ち着いたかも。お水飲みたいけど…魔術頼みだからまだ駄目ね。」


これは、便利だからと魔術に依存し過ぎると困った事に……なってるわ。

以降は、本当に、マジで、ガチで、気を付けますよ!


「……よし、立っても大丈夫!あ〜〜〜びっくりした!低血糖では無いけど、甘い物食べたい…。」


今まで普通にあった物が無くなると、余計に恋しくなる。

……まだ、陽は高い。夕飯も確保済み。


ここは、甘い物をちょっと探してみよう!

果物があれば嬉しい。ハチミツも良いけど、どうやって蜜を取るか分らないしな。

まあ、もし見つけたらその時に考えよう。


「でも良かった。結構早く回復出来て。あのまま暫く動けなかったら……人に遭遇した時が一番ヤバいな」


今のところ最大の脅威は人。

次に、まだ直接の遭遇は無いけど、夜行性の犬または狼ね。

次がウサギかしら?可愛い見た目なのに、好戦的に向かって来るのを本当に止めて欲しい。


お陰で倒さない訳にもいかず、ウサギを仕留める→肉と毛皮と角が手に入る。そして、在庫が増える→消費が間に合わないを無限に繰り返しそう。


「向かって来なければ無視するのに…。草食のくせになんで突っ込んで来るのかが不思議…と、言うか意味が分らない。」


しかも、個体数が多いから始末が悪いのよね。

その特攻ウサギに石を投げ当て、討伐する。

最早、作業と化した討伐後の一連の流れも、魔術に依存している。

血抜きと内臓抜きはともかく、他は手作業でも出来る様に頑張ろう。………次から頑張る!


危ない!魔術を使うなら先に自力を調べてからだね。



左山葉子(38歳)


レベル8


体力 108/108

魔力 11/127


魔術 イメージクリエイション


属魔 バンディエル


「はいっ??!!」

レ、レレレベルって?!あと、属魔って何??!!




◆◆◆◆◆◆◆




葉子さんは38歳のピチピチ(死語)乙女です。


ゲームは一切しません。


痛い自覚はありません。


だって現役乙女だから……。



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