ごーしちごーしちしちをまとめた

天王野苺

第1話にして最終話

捕らわれた化物蛸の八つ足に

踏み散らされた桜の花が



魂にうそつきました消えないの

上下巻とも押された落款らっかん



どうしたの帰りかたをわすれたの

他の誰かが声かけるだろ



ジョギングで追うどこまでも慕わしく

釣果の蛇を食べて欲しくて



ほらしんだすいませぇんこれりょうがえして

独り言コレクションえぐいな



わたしのね住まいはいーじーもーどなの

越えやすい柵十階の部屋



電波越しやけにはっきり聞こえるわ

てめぇの寝言『やめたほうがい



真夜中の散歩でわたし露出狂

頬に風を感じているの



ならず者なりきれず袋を目でなぞる

此のマンションにあと五人いる



手を上げたじじいの自転車ふらふらと

微笑もうとしたよく見りゃ拳



通り様むしった草が四つ葉では

パンフに挟みうっかり捨てよう



10円のガムの当たりがわかります

もう42だぞまじでこれだけ?



密林のごとく蔓延る水草は

死体を巧く隠してくれる



地獄ゆき切符に挟み込まれてる

白詰草の四つ葉が落ちる



でもわたし よねづけんしを きのうみた

詠唱を終え わたしはきえる



チケットの額面をただ見つめてるタイパコスパこれが令和か



つぶれたよ四角い端末見すぎてさ

もうこれ以上見なくていいの



減給でもうこのほかは差し出せない

笑顔ただです大声もただ



性別も姿形も名前さえ

変えたあなたの固定電話



スマホからみまもりカメラで心配中

わぁねこちゃん?いえこれは推しです

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ごーしちごーしちしちをまとめた 天王野苺 @domico

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ