第4話
とある日の昼下がり。
「マッチと油、あと、
彼女は手元のメモを読みながら買うべきものを確認する。彼女が中心街へ来るのは、決まって食事の材料目的か菫の薬目当てだ。
「菫は最近咳が酷いし、鎮咳効果のあるもの、もうちょっと取り入れてみよう」
そんな独り言を呟きつつ、彼女の待つ店へと急ぐ。
「あれ、あいつって……」
とある男が、紙を見ながら黙々と足を進める
「おーい、
「ん?」
自身の苗字に、
その男は2人の男と2人の女を連れていた。が、問題はそこではない。
彼らは
「久しぶりだな。4年ぶりくらいか?」
「そうですね……」
「俺のこと覚えてる?」
「まぁ……。
「そうそう!」
馴れ馴れしく話しかけてくる男の相手をする
そこに、今度は女が割り込む。
「ねぇ、私たち、平安町に来るの初めてなの!七ヶ浜さんはここに住んでいるの?それとも働いている?」
「住み込みの働き、と言えば良いでしょうか……」
「へぇー!住み込み、いいわね」
日本人にしては色素の薄い髪をふわふわと揺らめかせながら、その女はにっこりと笑った。確かこの人は
彼らは
平安町を一歩出てしまえば、そこは科学技術が進歩した現代。子供は当たり前のように義務教育を受け、高校に進んだり就職したりと将来に向けて自身で道を選んでいる。
「あ、平安町にいるなら、もしかして知ってるんじゃない?」
「何を、ですか?」
「
大切な人の名に、
「知ってるでしょ、菫姫。すごく当たる占い師だって」
「しかも、不思議な術も扱えるんでしょう?一度でいいから見てみたいの」
「はぁ……」
まるで稀有な物を見ているかのような表情の女に、
こいつらは菫をなんだと思っているのか。そう、同胞に疑いの目を向けるも、もちろん彼らには届かない。
「それで、もし良かった案内してくれない?」
「案内……ですか?何の?」
「何のって……
それが人に物を頼む態度か、と突っ込みたくなるも、
迷いに迷った挙句、彼女は渋々首を縦に振った。
「……分かりました」
「ほんと!ありがとう!」
「それでは、付いてきてください」
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