第2話『第1ゲーム開始!』


 3,2,1――


『第1ゲーム開始!』


 テレビは真っ暗になった。

 とうとう始まる、第1ゲームが。

 すると、スマホが鳴る。


『おい、テレビ視たか?』

「ああ、視たよ」

『ゲームが始まるって、どんなゲームが始まるんだ?』

「さあね、俺にもわかんねぇよ」


 嘘をついた。知ってたら怪しまれるからな。


『だよな。俺、学校に行くけどよ。お前はどうするんだ?』


「普通に登校しようかな。お前と善司が心配だからな」


『お前って奴は、優しいな』


「どうも」


 そして、スマホを切り。玄関に向かう。


「俺が魔王だって、バレないようにするなら、休んだ方がいいかもしれないが。行かないことで逆に怪しまれるよな」


『そうですね』

 神崎さんは同意する。


「だったら、正体がバレないようにしなくちゃだな」




 学校に向かい、駅前に到着。まだ、モンスターらしきモノはいない。

 駅のホームでは学生があれころ語っていた。「テレビ局をジャックするなんて、ありないよね?」「そうそう、マジでビックリしたんだけど」「てか、ゲームが始まるなんて、何?」

 

そして、電車が来て、乗車。電車内でも学生たちがスマホをいじっては、テレビジャックが起きたことや、ゲームについて話していた。

 そして、到着した駅から俺は堂々と歩く。

 そして、学園の校門を通り、玄関に到着。


「善司じゃないか」

「テレビ、視たてござるか?」

「ああ、視たよ」


 善司と一緒に、テレビで起きた事を話し合う。


「どんなゲームが始まるのでござろうな?」


「わからない。だが、ノーマルラビットを30匹倒して、殺されずにいれば、200万円もらえるらしいのは、わかる」

「欲しいでござるな。200万円」

「そうだな。200万円あれば、欲しいモノが手に入るな」

「なら、新しいパソコンが欲しいですな」

「俺も」



 そして、教室に到着する。教室内にすでに10人の生徒がいた。

「善司、そのゲームについて調べようぜ」

「そうですな」


 俺たちはスマホを使って、いろいろ調べる。

 俺の場合、動画サイトの動画を視聴したりコメントを視たりする。

 しばらくすると、陽介も来た。


「よお、二人とも」

「おはよう、陽介」

「おはようでござる」


 陽介も動画サイトを視聴したり、掲示板サイトを覗いたり、いろいろ調べる。

 そして、教室に担任が入る。


「なんだか、大変な事になりましたね」

「テレビがジャックされるなんて、ヤバいですね」

「そうですね。皆さん、テレビジャックについて、気になるとは思いますが、スマホをちゃんとバッグにしまってくださいね。」

「「「は~い!」」」



 第1限目の英語の授業で、そろそろ終わる時間。

「はい、みなさん、宿題です」


 先生は前席にプリントを配る。

 そして、窓際にいた生徒が異変に気付いた。


「あ、あれは何だ!」「な、何これ!」「もしかして、モンスター!?」


 生徒達が窓際に向かう。


「みなさん、落ち着いて」

 校庭に謎の穴ができ、そこから、わらわらとウサギは湧き出る。

 その数は約8000匹。


「マジかよ……」


 いや、これくらいでビビらないし、余裕で倒せるが。数が数だ。

 俺が校庭に出て、こん棒で倒したら、目立つよな?

 魔法で倒したら、もっと目立つ。う~ん、どうしようか。


「なんか、ウサギがいっぱいいるよ」

「例のノーマルウサギなんじゃね?」

「ていうことは、アレを30匹倒せば、200万円がもらえるのか」

「みなさん! 放送が流れるハズなので、外に出てはいけません!」


 先生は必死に、みんなを止めようとする。


「なぁ、ユリオ」


 陽介に声をかけられる。


「なんだ?」

「俺たち、どうなっちまうんだ?」

「そうだな。このままだと、あのウサギに〇されるだろう」


 想像もしたくないが。まあ、俺なら大丈夫だが。


「うわ~、だよな。どうすればいいと思う?」


「みんな、武器を持って倒せばいいんじゃね?」


「武器か。よし、先生に相談しようぜ」


 そして、俺と陽介、善司と共に先生の元に駆け寄る。


「先生」

「はい、何でしょう?!」

「みんな、武器を持って武装した方がいいんじゃないかと、思うんですが」

「先生として、武器を持たせたくありませんが、そうも、言ってられないですよね」

 先生は困惑を隠せず、微かに声や体が震えている。先生はこの状況が怖いのだろう。


「先生、このままだと、みんな〇されちまう!」

「そうでござる!」

「先生、覚悟を決めてください!」

「……わ、わかりました」

 先生は頷く。うん、説得成功だ。

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