第16話『ヤバいモンスター襲来その1』


 はっきりいって、今までの中で3番目にヤバい状態だ。

 ダークドラゴンを一体なら、俺たちのギルド全員でかかれば倒せるだろう。

 だが、敵は3体。ダークドラゴンだ。

 俺のギルドがこの国で一番強いが、敵は強く多すぎる。

 おそらく、この国は滅ぶ。間違いなくだ。


俺らは馬を走らせながら、念話。

『姫。お前さんは1体を相手してくれ』

『残りの1体はどうする?』

『2体、俺達でどうにかする』

『本当か!』

 王女ロズリーナは驚きを隠さなかった。

 俺は笑い。

『なあに、時間稼ぎすれば、増援が来るだろう?』

 そう、俺達ができるのは時間稼ぎだ。

 王国騎士の精鋭が来れば、なんとかなるだろう。

『そうだな。最強なのは私たちだけじゃない。わかった、死ぬなよ、バルゼス!』

『姫もな』

 俺は団員に向けて念話。

『おい、お前ら! 死ぬ気で戦え! だが、死ぬな!』

『『『了解ッ!』』』



「どうだ? セイラ?」

「はい、力が漲って、何でもできそうな気がします」

 俺、ユリオはセイラ達を進化させていた。

 セイラは名付けた時点で、SSR+に進化している。

 現時点でセイラを、URのエンジェルドラゴンに進化させたのだ。

 スライムトリオのスラキチ、スラスケ、スラベイをSSRとなり、スライムの王となった。パープルバタフライのメロナさんもSSRになり、バタフライの女王となった。 

 ブラックバードのクロキもSSRになって、影忍者鳥人となった。

 UR以外のみんなも進化させ、かなり強くなった。

「ずるいのじゃ、私も進化したかったのじゃ」

「僭越ながら、私もです」

「……私(こくん)」

「進化しても、猫神の天使になったにゃん」

 そう、ニャンシーは猫神の使徒から猫神の天使になった。

 SSRからURに進化させたのだ。

「ああ、羨ましいのぉ~」

「まあ、にゃ~」

 URのペット達も悔しそうだが、しょうがない。

 精鋭で2,000体いるが、なんとかなるだろうか?

 正直、上手くいく自信がない。だが、あの国を放っておくという選択肢はあるにはあるが、できれば、なんとかしたい。


「みな、準備はいいか?」


「「「できてます!」」」


「じゃあ、行くぞ!」


「「「おう!」」」



 ???視点


「どうしたんだ? レイジュ?」

「いや、新たな魔王がいてね、興味深いんだ」

「例の聖なる力が扱える魔王か」

「僕の推測だけど、ジャグラより強い可能性があるからね」

「おいおい、嘘だろ! ジャグラ様は中堅クラスの魔王だぞ」

「そうだよ?」

「冗談じゃ、ないんだな?」

「うん! だから観察してるんだ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る