第六話ー1μmー


ほんの少し、たった1μmほどなのかもしれない。でも、本当の進歩を感じれたメンバーたちは達成感と嬉しさに包まれていた。しかし、まだ油断はできない。ほんのほんの少しの一歩。これ以上戻ることはできない。背を向けている彼女は少しだけ前を向こうという気持ちを持った。このチャンスを無駄にはできない。でも焦ってはいけない。今まで通り。心がけて頑張ろう、と思った。


由菜はあの言葉が脳内で渦巻いていた。

(信頼?あの目は、本物?)

彼女がずっと話しかけていたのはおそらく私を孤立させないためだろう。そう気づいていた。だからこそ、彼女たちは信頼を置けるのだと。

(…考えても探しても答えは見つからない。でも、彼女たちならわかってくれるかも。)

彼女自身が生み出した光。この光は、彼ら…海里や心子のおかげで自分自身の力で、時に背中を押してもらいながら生み出した彼女なりの色の光だった。

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