第4話(終)

 その日、予定された時間に、その第三者――死体遺棄を行っていた四人の男が現行犯逮捕された。


 彼らは容疑をあっさりと認めた。


「世の中で死にたい人を救おうと思った」


「誰にも迷惑をかけていない」


「死んだ人をいたんでやっている」


「悪いのは、こんな良い人達を自殺に追い込む世の中だ」


「何が悪いのか分からない」


 と供述きょうじゅつしており、令和の世に波乱を呼んだ。


 その後、多くの模倣犯が現れ、また金銭のやり取りも発生するようになったため、令和六年度の年間自殺率は、うなぎのぼりに上昇することになった。


 同時に、この事件を機に、関係各所の労働環境の見直しやテコ入れも行われた。


 しかし依然いぜん、生真面目で誠実で実直で素直な人間が生きづらい――世の中だということに変わりはない。


 自殺探偵も、まだしばらくは身を引くことは難しそうである。



《Suicide Inside》 is Q.E.D.

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スーサイド・インサイド 小狸 @segen_gen

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